「この結果、DX分野でも『寄り添う力』、コンサル営業が重視されるようになりました。これに伴い、特定業界向けITツールを提供する企業の場合、その業界の出身者を営業として採用する傾向があります。直近では、エンジニアなどのIT人材を除くと、ネット業界以外からの中途採用者が7割~8割程度に上ると思います」

求められる3つの資質

――ネット企業が中途採用者に求める資質は何ですか。

「企業が求める資質として3つ挙げられると思います。第一に変化対応力。ネット企業はとにかく変化が激しく、短期間のうちに組織の規模が倍になったり、事業内容ががらりと変わったりすることも珍しくありません。企業のフェーズが変わろうと柔軟に力を発揮する能力が求められます」

「第二に自走力。これまでなかったサービスを新たに世に送り込む場合、社内外にまだ答えがない場合も多いでしょう。回答がなくても、周囲を巻き込んだり、助けを求めたりしながら自分なりに工夫して走ってみる力が問われています。『指示待ち』ではなく能動的な姿勢がマストです」

「第三に(会社の)ビジョンへの共感です。世の中の人を笑顔にする、といった会社のビジョンに対し、個人として共鳴できるか、が問われます。ネット企業は取り扱うサービスが年月とともに変わっていくことも多いので、会社として不変なもの、ビジョンへの共感が一段と大事になります」

「一方、プログラミングなどのITスキルはほとんど必要なく、独学で少し勉強しておく程度で十分でしょう。巣ごもりやリモートワークなどコロナを機に広がった社会の変化は今後も加速し、求人需要はますます増えていくと思います。ネット企業への転職を希望する人は、普段からアンテナを広く張り、社会の動きをふかんしたり、このサービスを使えばこの課題がこのように解決できるといった頭の体操を重ねたりすることをおすすめします」

早崎 士郎 

リクルート HRエージェントDivision インターネット・金融営業部 マネジャー 入社後から一貫して、インターネット関連企業の採用支援に従事。スタートアップから超大手まで100社以上を担当。

 

(日経転職版・編集部 宮下奈緒子)

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