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2021/5/28

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ホテイフーズコーポレーションの「やきとりたまご」(155グラム、302円)

最後に、ホテイフーズコーポレーション(静岡市)のやきとり缶の亜種「やきとりたまご」を紹介したい。発売は17年で、新商品ではないが、もっと注目されてもいいんじゃないかと個人的には思っている。というのも中身のオトク感がすごいのだ。

同社の「やきとり たれ味」と同じく、甘辛いやきとりが入っているが、その量が同商品よりも増量されている。さらに、味付けされた鶏卵のゆで卵が1コ、丸ごと入っているのだ。念のために書きますが、ウズラの卵じゃありませんよ、鶏卵です。

初めて缶を開けた時には、タレの海に浮かぶゆで卵の存在感に衝撃を受け、しばらく動けなかった。

缶を開けると、ゆで卵が丸ごと出てくる

鶏卵のゆで卵が丸ごと入った缶詰は他で見たことがない。玉子が潰れないサイズの缶を採用しないといけないからだ。このやきとりたまご缶も、通常のやきとり缶の倍近い高さの缶を使っている。そこまでして丸ごと1コ入れたかったホテイフーズの執念が素晴らしい。

ご飯にノリと紅ショウガを添え、白いりゴマを掛ければ親子丼に

さあ、やきとりたまごを白ご飯に合わせるとどうなるか? みなさんうすうすお気づきかと思いますが、親子丼です。親が鶏肉、子が鶏卵という、正真正銘の親子丼。缶には甘辛いタレがたっぷり入っているので、それをご飯に掛ければ味付けは十分。

でも、より丼物っぽくするために、ご飯の上に千切ったノリをしき、やきとりを乗せ、ゆで卵は半切りにして見栄えを美しくし、薬味として紅ショウガを添えた。最後に白いりゴマを散らしたら、定食屋で出てくるようなたたずまいになった。

正直申しますと、ノリも紅ショウガも白いりゴマも要らなかった。缶詰の中身だけで十分、おいしかったのであります。

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。
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