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20代で抜てきされる人の条件は… (写真はイメージ=PIXTA)

20代で抜てきされる人の条件は… (写真はイメージ=PIXTA)

30歳手前の経営幹部を生む仕組みが欲しい、という相談を年に5回くらいは受けるようになりました。28歳部長―年収1500万円、30歳取締役―年収2000万円、というような実例です。そのための専門的な人事制度の話はさておき、どんな人が抜擢(ばってき)されたのかを見てみると、意外な共通点が見えてきます。

事業戦略が変わろうとしている

数年前に人事制度を改定したクライアントから久々にご相談をいただきました。

「今後、事業戦略を大幅に変えていくことに決めましてね。そのために20代社員を抜擢したいんですが、人事制度の改修が必要だと思いましてご連絡しました」

抜擢という話自体は目新しいものではありません。そして一般的には「特例」としてあえて仕組み化はしません。だからこう答えました。

「抜擢に仕組みは不要ですよ。中途採用の対象がたまたま社内にいたというだけで、その理屈だけ整理すれば大丈夫です」

「なるほど。ただ、ちょっと状況を説明したいので、一度来ていただけませんか」

「はいはい」

弊社の東京オフィスから近所ということもあって、たままた空いていた翌日午後にお伺いしてみたところ、話はより本質的なものでした。

求める人材が変わったから人事制度も変える

久々にお会いした専務いわく、抜擢は手段であり、目的は新経営戦略にあわせた変革を進めるため、ということでした。

・既存事業を含めて、すべてデジタル対応を前提としてビジネスモデルをリデザインする
・新責任者に役員権限を与え、デジタル化を2年で実現する
・責任者には新規に雇用する役員を充てる。その下に部長級のプロジェクトリーダーを2人設定する。1人は中途採用、1人は社内の20代を抜擢する

そのような方向性を説明いただいたので私からはこう答えました。

「求める人材が大幅にシフトするわけですね。それであれば、市場価値に沿った人事制度への見直しをするほうが、運用上も、従業員への説明上もスムーズですね。以前設計したコンピテンシー等級基準をベースに、部長以上層に対して職務等級基準を適用する形でいいですか?」

「はい。それでお願いします」

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