モバイルディスプレーの使い勝手 人気7製品を検証
初めてのモバイルディスプレー
パソコンをマルチ画面化して、作業効率をアップさせるディスプレー。今回は、国内外のメーカーが販売する7製品の使い勝手を検証した(図1)。
(1)ディスプレー:解像感、色合い、視野角の広さをチェック
画面サイズはノートパソコンで使いやすい15.6型が6製品と、14型が1製品。実売価格(価格は5月上旬時点、以下同)は1万円台後半から6万円台半ばまで少し差がある。基本性能やインターフェース、スタンドの形状なども製品ごとにまちまち。これらの違いがどの程度使い勝手に影響するかを見ていこう。
1つめのテスト項目はディスプレー。ディスプレーは解像度以外に画面の表面処理により色合いが、パネルの種類によって視野角などが変わる。まず色合いだが、こちらは画面表面が光沢仕様となるグレア採用の2製品、「UQ-PM154K」と「ThinkVision M14t」が頭1つ抜きんでる(図2、図3)。なかでも4K仕様の前者は、高精細で印象的だった。
一方、非光沢のノングレアは、発色はグレアより劣るものの、映り込みの少なさでは勝る。その点では、実売1万~2万円台の国内メーカー品と、アマゾンの売れ筋はほぼ同等だった(図4、図5)。
視野角はメーカー公表で170度か178度が多い。パネルの種類もIPSが中心だが、横から見ると、ノングレアの6製品はいずれも暗くなりやすい印象だ(図6)。
このほか気になったのは、輝度や音量の設定が保持されない製品があることだ[注1]。利用するたびに、輝度を調整し直すのが手間だった。該当するのは「EVC-1506」「GH-LCU16A-BK」、UQ-PM154Kの3製品。
(2)インターフェース:端子の種類と数、搭載位置などを確認
2つめはインターフェース。特に重要なのはUSBタイプC端子の位置と機能だ。パソコンの右側にモバイルディスプレーを設置する場合、端子の位置が左側面だとケーブルが邪魔になってパソコンにぴったり並べにくい。機能面では、映像と給電(USB PD)を兼用したタイプかどうかが重要になる。その点で優秀だったのはThinkVision M14t。左右にUSB PD対応の端子があり、左右どちらに置く場合も使いやすかった(図7)。
EVC-1506は、右側面にUSBタイプCが2つ。そのうちUSB PD対応は1つとなる(図8)。
HDMI端子が標準サイズなのも特徴。ほかにHDMIを搭載する製品は、いずれもミニタイプ(図9)。
HDMI非対応の製品も多いので、USBタイプC非対応のパソコンや機器で使う場合は、注意したい(図10、図11)。
(3)音声再生:映画観賞やゲームには必須
3つめは音声再生。スピーカーを内蔵しているか、イヤホン端子はあるかが見極めのポイントになる。パソコンでの文書作成用途なら不要な機能だが、家庭用ゲーム機やストリーミング端末で使うなら、音声を出力できないと使い勝手が悪い。今回の7製品中、対応するのは4製品だった(図12、図13)。
(4)設置方法:タイプと角度の調節幅を確認
4つめは設置方法。本体背面のスタンドを使うか、本体カバーとの兼用タイプを使うかの2タイプに分かれる。製品によりチルト角も2段階と無段階があり、角度も変わる(図14、図15)。
(5)接続機器:パソコン以外にも使えるか
最後は接続機器。スマホやタブレット、ゲーム機やストリーミング端末で使いたい場合は必ず確認しよう(図16)。
[注1]パソコンや外部機器とUSBタイプCで接続した場合
[注2]実用時の角度を編集部で調べた
(ライター 原如宏、写真 スタジオキャスパー)
[日経PC21 2021年7月号掲載記事を再構成]
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