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ソニー「空間再現ディスプレイ」 裸眼でOK迫力3D

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NIKKEI STYLE

立体・バーチャル映像を見るツールとして、3次元(3D)メガネや仮想現実(VR)機器が普及している。中でも注目なのが、2020年にソニーが発売した「空間再現ディスプレイ(ELF-SR1)」だ。裸眼で3次元(3D)のコンピューターグラフィックス(CG)映像を見ることができる。平成生まれのライターと昭和世代のオーディオ・ビジュアル評論家が製品を体験し、その未来について担当者に聞いた。

視線を追跡(トラッキング)し、立体映像を裸眼で再現

小原(57歳のオーディオ・ビジュアル評論家) 今回はソニーの「空間再現ディスプレイ(ELF-SR1)」を体験します。

小沼(29歳のライター) 今年初めの記事「今年は8Kテレビに手が届く ソニー『立体映像』に驚き」で小原さんが注目していると話していた、裸眼で3DCG映像が見られるソニーの最新技術を詰め込んだディスプレーですね。従来の3DテレビやVRみたいなものかなと思っていますが、違うのでしょうか。

太田佳之さん(ソニー ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ事業本部TV事業部 商品企画部 XRプランナー) 実際に見てみるのが一番わかりやすいと思います。特別な設定は必要ないので、さっそく体験してみてください。

小沼 うわー、リアル! 裸眼で見ているのに、目の前に本物のカニがいるみたいです。手を伸ばして、触れないのが不思議なくらい。上下左右に顔を動かすと見え方も変わるのは、裸眼VRという感じですね。一体どういう仕組みなんですか?

太田 簡単に言うと、ディスプレーの上部に特殊な高速ビジョンセンサーが組み込んであって、そのセンサーが視聴者の目の位置を特定し、そこから見えるであろう映像をリアルタイムに生成して表示します。ディスプレーパネルの表面にはマイクロオプティカルレンズ(微細な光学式レンズ)を配置することで、左目用と右目用に分割したグラフィックをそれぞれの目に届けて、立体視ができるんです。

小原 面白そうですね。どれどれ……。

小沼 あれ、映像が乱れちゃった。

太田 現在は1人視聴専用なんですよ。2人以上の視点を同時に追うことはできないので、誰かが覗きこむと映像が乱れます。今後は視聴者を固定するなど、さまざまな機能の追加を検討しているところです。

小沼 複数人で視聴できるようにはしないんですか?

太田 他社の同様の製品では、複数人で観賞できるものもあります。「バリア方式」と言って、1枚のパネルに複数視点の映像を分割して表示するんです。角度によって見え方が変わるおもちゃのシートのようなイメージですね。ただ、この方式だとどうしても解像度が下がり、映像も暗くなってリアルさに欠けてしまうので、「空間再現ディスプレイ」ではあえて1人での視聴に絞り、高解像度で精細感があるものを作っています。

小原 画質が落ちるとリアルさや没入感が一気に失われ、そこにあるようには見えなくなってしまいますからね。この点はトレードオフだと思います。

エンタメ分野では初音ミクとのコラボも

小沼 実際に拝見してリアルさに驚きました。そもそもどんなシーンでの使用を想定して作ったんですか?

太田 3DCG制作などを行うコンテンツの制作者がデータを確認したり、プレゼンや展示会で利用したりするのを想定していました。たとえば、自動車部品の見本(モック)を作ろうとすると、相当な期間と費用がかかります。それをデータ上で、その場にあるようにリアルに確認できれば大幅なコスト削減につながります。発売前にクリエーターの方に試作品を体験してもらったのですが、皆さんとても面白がってくれました。

小原 発売は20年10月でしたが、反響や実際の使用の状況は?

太田 クリエーターの反応は予想通りで、現時点でソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPEJ)がアクションシーンの再現やCGキャラクターの確認に使っています。それから、医療系の分野でもこれから使われようとしています。

小沼 最近は手術のシミュレーションなどにVRを使うことがあると聞きます。

太田 そうですね。実際の手術での使用はできませんが、手術前のシミュレーションなどで使っていただいています。CTスキャンデータを読み込んで3Dモデルを自動作成することで、患部を正確に把握するなどの場面で役立つといった活用法が期待されています。

小原 医療分野は活用方法が色々とありそうですね。エンタメの分野だといかがでしょう?

太田 個人の方で、自分でゲームや映像を作ってくださった方がいますね。「フォトグラメトリー」という、被写体を全方位から撮影したデータを基に3Dモデルを作成するのを楽しんでいる方もいます。「SNOW MIKU 2021」という初音ミクの北海道イベントで、「空間再現ディスプレイ」を使った特別なコンテンツを展示したことがありました。他にもさまざまな活用法があると思います。

小沼 最近はVTuber(バーチャルユーチューバー)が人気ですが、相性が良さそうですね。恐竜やアニメキャラのように、実在しないもののほうが向いているのでしょうか?

太田 実在しないものをリアルに作って動かせるのは強みです。ただ、実在する人物のデータを作ることもできますよ。アイドルのパフォーマンスを専用の機材で収録すれば、空間内に再現できます。こちらの視線をトラッキングしているので、視聴者の目を見て手を振る、といったようなインタラクティブ性のあるモーションも作れます。

VRとのコンテンツデータの兼用も容易

小原 「空間再現ディスプレイ」は、御社のテレビ事業の一環として進めているんですよね。この技術の最終的なゴールは?

太田 最終的には、BtoC(消費者向け)で広く普及するものにしたいと考えています。ただ、いきなりそれを目指すとコンテンツがなくて広がっていかないので、今はクリエーターの方やBtoB(企業向け)で展開し、コンテンツや技術を普及させていく段階です。

小沼 現在の価格は55万円。さらに性能の良いパソコン(PC)も必要となると、まだ簡単には手が届かないですよね。一般のユーザーが楽しむコンテンツも多くはないですし。でも、今後もっと普及していけば、より高次元の映像体験が気軽に楽しめる世界になりそうです。最終的にはスマートフォンに技術を搭載することもできそうですね。

太田 そうですね。それからコンテンツデータがVRとある程度共通していることも重要なポイントになります。一つのアプリでVR用と「空間再現ディスプレイ」用が開発できるので、俯瞰(ふかん)して見たいときは空間再現ディスプレイ、世界観の中に入って体感したいときはVRのように用途に応じて同じコンテンツを使い分けができます。

小沼 VRは没入感が高い一方でけっこう疲れるので、それぞれで使い分けられるのはいいですね。

小原 僕はジャズやクラシックのコンサートに行くとき、全体を俯瞰(ふかん)して見たいんですよ。でも、映像作品だと一部にクローズアップされることがよくある。これなら、見たい角度から観賞できていいですね。格闘技や大相撲の観戦にも向いているかもしれない。それに、今後は大型化や複数人での視聴など、まだまだ進化の余地がある。可能性に満ちた分野だと思います。

小原由夫
1964年生まれのオーディオ・ビジュアル評論家。自宅の30畳の視聴室に200インチのスクリーンを設置する一方で、6000枚以上のレコードを所持、アナログオーディオ再生にもこだわる。

小沼理
1992年生まれのライター・編集者。最近はSpotifyのプレイリストで新しい音楽を探し、Apple Musicで気に入ったアーティストを聴く二刀流。

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