アナウンサーや白黒写真の着色 進むAIの「職場進出」
少し前だが、美空ひばりの歌声を学習し、まるで生きているかのように新曲を歌う「AI美空ひばり」が話題になった。人工知能(AI)の応用分野は広いが、(1)人の代わりとなる、(2)人がやると手間のかかる作業を代行する、(3)人と対話して手助けをする、という3つに大別できるのではないか。今回は、そんな未来を感じさせるサービスを紹介したい。
アナウンサーもAI時代に
人の代わりとなるAIとしては、AIアナウンサーが活動を始めている。「ゆいプラ!」は、実際のアナウンサーによる約10万件のニュース音声を学習したAIが、文章を読み上げるサービス(図1)。テレビやラジオ、商業施設の館内放送などで採用されているという。
音声合成AIでは、エールストンが「CoeFont STUDIO」を無料で公開中。商用利用も可能な音声ファイルを手軽に作成してダウンロードできる(図2)。
手間がかかる画像処理系でも活躍
手間のかかる作業を代行するAIとしては、画像処理系のサービスが目立つ。線画にAIが自動で色付けする、実在しない人の顔を生成する、古い白黒写真をカラー化する、など便利な機能を利用できる(図3、図4)。
人が手作業で行うと時間と労力がかかるが、AIなら一瞬。仕上がりの自然さは、機械学習によるAIの進化を実感させる。
AIとの対話で感情をぶつけてみる?
対話で人を助けるAIも実用化が進む。問い合わせや予約のシステムにチャットボット[注]を採用する企業も増えた。NTTドコモの「かたらい」はビジネス向けだが、無料で試せるので実際に対話してみてはどうだろう(図5、図6)。
最近はAIとの会話でメンタルケアができるスマホアプリも人気とのこと。何でも話せて、感情をぶつけてもOKなのがいいのだろう。
(ライター 青木恵美)
[日経PC21 2021年7月号掲載記事を再構成]
[注]ボット(BOT)はロボットの意。チャットボットには、「こう言われたらこう答える」といった単純なプログラムから、多様な言葉にAIが対応して自然な会話をする高機能なものまである
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