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SKY-HI 「自分を見ている人がいる」が成長につながる

連載 Be myself, for ourselves(1)

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

2021年中に新しいボーイズグループの誕生を目指し開催されているオーディション「THE FIRST -BMSG Audition 2021-」。このオーディションを主催する「BMSG」のCEOを務めるのが、AAAでも活躍するSKY-HI(日高光啓)だ。現在、オーディションは15人に絞られた合宿審査を公開中だ。

経営者であり、オーディションのオーガナイザーとしての役割のもと、才能のある若者を選び、育成し、世に出す──そこには、ビジネスマンにも共通する視点があるのではないか。そう考え、インタビューの連載をオファーした。1回目は、SKY-HIがどんな理由からいかなる才能を求めているのか。また、その先にあるものは何なのか。題して「才能の見極め方」。

「コロナ禍のため、2次審査は、東京以外、リモートで開催しました。ただ、リモートだとシンプルにダンスや歌唱、ラップの根本的なクオリティーは分かるけど、それ以上の部分は見えにくかった。歌に関して言えば、ピッチやリズムが外れていないか、ダンスでは振りをきちんと覚えて上手に踊れるかという力を見たのが2次だとすれば、3次審査以降は『自分が音楽を鳴らす』ことへの意識の有無が大きなポイントになってくるのかなと思います。

3次審査で残っているのは15人(5月22日現在)。選ぶ角度を変えたら全然違うメンバーが残る形になったかもしれません。答えは結果論でしかありませんが、そこに対して複雑な思いはありますね」

SKY‐HIは「THE FIRST」の審査の基準として、「クオリティファースト」「クリエイティブファースト」「アーティシズムファースト」の3つを掲げているが、そのうちの「アーティシズムファースト」が、次なる課題となる。「アーティシズムファースト」の審査で才能を見極める重要な要素の1つが、「本人と音楽との距離感の近さ」だ。

「僕はステージに立つ人間である以上、『その人が立つこと』に意味が出ないといけないと考えています。その人が歌うこと、ダンスすることに意味が出ないといけない。例えば、2時間程度のライブでステージに立つなら、決して長くないその2時間で、ちゃんと音楽を通してストーリーを紡ぐことができる人間かどうかを重視しています。

もちろん人前でパフォーマンスしたい、目立ちたいという夢も、モチベーションとして素敵なのですが、それがかなってしまうと、成長も止まるし、クオリティーの追求も難しくなる。根本のところで『音楽をやること』に強いモチベーションを持っていることはパフォーマンスする側にとってもすごく大事ですし、僕自身が新しいグループを作るのだから、そういう才能を集めないと意味がない。

「自分をうまく見せたい」のではなく、『楽曲をよく響かせたい』という意識が強い人を求めています。例えばダンスを踊るときに、取る音がたくさんあったり、パフォーマンスとして派手に見せたい場所で難しいムーブがあったとしても、それは『手段』であって『目的』ではないわけです。歌唱の場合でも、どんなメロディーを歌っても存在感を出せることと、何を歌ってもその人になってしまうことは、すごく似ているけれども真逆なことだったりする。発声の種類を増やしたり、声の響く場所を覚えることで、後者も改善できるかもしれませんが、その前段階の意識として『自分の歌を見せたい』が強ければ、改善にも対応できない。ダンスも歌も『自分をよく見せたい」が強いと、そこで成長は止まってしまうし、グループになった場合、浮いてしまうことが多いんです」

「本人と音楽との距離感の近さ」は、今後の成長力に大きな影響を与える、とSKY‐HIは語る。一方で、既存の日本の育成システムには、アーティストを目指す才能の音楽的な資質や志向を生かす仕組みがないことも問題点として挙げる。

「本人の志向する音楽、ミュージカリティーみたいなものがパフォーマンスから見えると、それが研ぎ澄まされていった形も見えるし、こちらも今の課題を克服するために採用するメソッドやトレーニングなどを的確にサポートできるんです。一方で『Be Myself(自分のままで)』をメッセージとして掲げている以上、決めたカラーに無理やり当てはめるのは本末転倒です。『出していくものがカラーになっていく』ことこそあれど、そのカラーやコンセプトありきに進めてしまうのはすごく危険。特に、候補生に将来性のある10代も多く抱えていることを考えると、そこはすごくきちんと考えないといけないと考えています。そういった意味では、年齢にかかわらず、『成長した姿に責任が持てる』人を選んでるっていう部分はありますね。

今回、ローティーンの才能に出会って、改めて日本の芸能の課題を感じました。13~14歳くらいの子ってネイティブなラッパーが多く、ラッパーとしての技量や表現が成熟しているんです。逆に20代のほうがそこが足りない子が多い。ラップができる13~14歳くらいの子がどうしてダンス&ボーカルを志向できるのかというと、それこそK‐POPがあって、ラップもダンスもボーカルもうまくなることが必要だし、それが普通という状態に意識がアップデートされているんです。僕自身、グループもやりながらソロでラッパーとしても活動してきましたが、僕のような活動をしている人は韓国にはたくさんいる。こういうスタイルの人間が日本にあと3~4人いれば、状況は違ったんだろうなと思います」

「見ている」ことを伝える必要性

「応募してくれた子たちを通して、新しい才能を見られるのは単純に喜びでもあるんですが、同時に、『受け入れてくれる人がいる』『見てくれる人がいる』ことを本人に感じてもらうのが、すごく重要だなと感じることも多いんです。

韓国の練習生システムのいい部分は、登る山がはっきりしてるので目標もはっきりしてるし、評価してくれる人が常にいるので、成長しやすい環境だと思います。逆に悪い部分は、生殺与奪の権を握ってしまうので、評価する側がおごりやすいこと。そこは今後さらに自分も意識しないといけないと思うところです。

今の日本国内だと技術を磨けるスクールはすごくたくさんあるんですが、実際に自分を見てもらえる場所は少ないと認識しています。ちゃんとフラットにパフォーマンスを評価できる場って本当に限られていて。評価する側の人が経験しているエンタテインメント自体が20年前のものだったりとか、昔の成功例に引っ張られていたりとか。スクールはあれど、育成システムとしては危機的状況なのかもしれない。

応募してきたローティーンの子が『これが最後のオーディション』と言っていたのが印象的でした。最初は最後という意気込みで言っているのかなと思ったら、結局は自分が志向していない音楽を押し付けられたり、出たくないオーディションを強制させられそうになったりという育成システムそのものに絶望している。僕自身、これまでに違和感のある指摘や評価を与えられてきたことがあり、そうやって腑に落ちなかったものが、時間がたってから理解できたケースは一切ありませんでした。

だからこそ、自分に共鳴してくれたり、自分の曲を聴いて応募してくれる人たちがいる『THE FIRST』では、彼らの意志や実力を絶対に受け入れることを大切にしました。短所を修正するのは合宿以降でいい。とにかく合宿段階では長所を伸ばすことを大切にし、自分が活躍できる場所を探してここに来た子たちに、自分を見てくれる人がいることを強くアピールしたいと思いました。実際に今後デビューまでの歩みをともにできるかは別ですが、『評価を下す』のではなく、『好意的に見る』『好意的に向き合う』ことが、長期的に見て彼らの成長につながることになると考えています。技術面での課題を明確に伝え、ちゃんと見たという明らかなコメントを、3次審査に参加した30人には渡しています。

今回のオーディションは、もっとバラエティ的な見せ場を増やしたり、ソーシャルで盛り上がる要素を入れて話題作りをするアプローチもあるのかもしれません。もちろん番組が盛り上がるに越したことはありませんが、最終的な目標は、彼らの才能を消費してそういう番組を作ることではなく、才能を伸ばして、クオリティーの高いものを世の中に提示すること。そう考えると、優先すべきなのは、彼ら1人ひとりが成長し、クオリティーを上げるためにはどうしたらいいか、そのためには何を伝えればいいかだと思うんです。その哲学は見失ってはいけないことだと考えています」

「THE FIRST -BMSG Audition 2021-」
 第2回放送(4月9日公開)では、東京・札幌・名古屋・大阪の2次審査の模様を紹介した。ダンスの世界大会優勝者や、俳優やアイドルグループの経験者に混じって、未経験とは思えない才能を見せる者も現れた。審査の末、30人が3次審査に進んでいる(4月20日現在)。毎週金曜『スッキリ』(日本テレビ系)でダイジェスト版を放送、当日20時からHuluにてフル配信。

(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント! 2021年6月号の記事を再構成]

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