商圏に合わせて店舗をカスタマイズ

もう一つのキーワードは「脱ワンフォーマット」だ。先述した自宅近くの店舗でまとめ買いするという購買行動の変化は、多くの店舗での「住宅立地化」を意味するという。日々の生活ニーズに応える品ぞろえが必要だ。ただし、全店一律ではなく、都市型、郊外型という大きな2分類を基にして商圏に合わせたカスタマイズをしていく。

例えば、ワインは都市部では上質さ、嗜好性の高さに合わせた高単価商品をそろえる。一方、郊外では大容量ワインなど値ごろ感を打ち出すといった具合だ。先行して20年12月に都市型135店舗で高単価ワインの品ぞろえを増やすなどしたところ、21年3月の酒類合計の前年同期比は約130%になった。同じ期間の比較で全国の店舗では約110%の実績だったという。

都市型の店舗については、上質さに加えて健康志向への対応もテーマになる。その目玉となり得るのが、21年7月中旬以降、1000店舗に導入していく「セブンカフェ スムージー」だ。これまで東京の麹町駅前店など数店でスムージーのテスト販売を行ってきており、健康ニーズが強い都市型店舗での展開を加速する。

セブンカフェ スムージーは、アイスコーヒーと同じような冷凍カップにフルーツや野菜などを入れたキットで販売する。「ケールグリーン」「チアシードマンゴー」「ストロベリーバナナソイ」の3種で、1個250円(税込み)。通年販売を計画している。

セブン-イレブン・ジャパンは7月中旬以降、出来たてを味わえる「セブンカフェ スムージー」を都市型の1000店舗に導入していく

該当店舗には、コンビニコーヒーのマシンのような専用マシンが設置されており、好みの冷凍スムージーを購入後、カップの蓋を開けて自分でセットする。すると、スムージーのマシンがカップ内のフルーツや野菜をかくはんし、40秒ほどで出来たてフレッシュなスムージーを味わえる。

セブン-イレブンが切り開いたコンビニコーヒーは、カフェラテなど女性が好むメニューの拡充で定着しているが、そもそもコーヒーが苦手という層も少なくない。スムージーはそんな新たな層のニーズをつかむ可能性は高いだろう。健康的なイメージから、弁当や総菜、カウンターフードなど即食性の高いアイテムとの買い合わせの相性も良さそうだ。出来たてスムージーが次の柱に育つ日は近いかもしれない。

(日経クロストレンド 勝俣哲生、写真提供/セブン-イレブン・ジャパン)

[日経クロストレンド 2021年5月12日の記事を再構成]

「マーケ・デジタル戦略」が分かるデジタルメディア、日経クロストレンド

「日経クロストレンド」では「P&Gマフィア」「AIを使ったリアル店舗の逆襲」「クルマ・鉄道を変えるモビリティ革命『MaaS』」「中国ネット企業の実情」など、次の時代を予見するマーケティング・デジタル戦略の特集記事を毎月たっぷりお届け。マーケ担当者に加えて、経営者・役員やIT担当者など、幅広い層に読んでいただいています。


MONO TRENDY連載記事一覧