魚をさばくユーチューブを参考に何とか三枚おろしはできた。だが、骨側に多くの身が付いてしまった。さらに、刺し身の中に小骨が残り、味はいいが食べづらい。石井シェフの助言に従い、1匹は身が多く付いた骨と一緒に煮付けにした。なるほどこれは骨離れがよく食べやすい。

外出自粛で自炊派、未利用魚に注目

ポケットマルシェによると、外出自粛で自炊派が増えたこともあり、農家や漁師から直接購入する同社の利用者は20年2月末から約10カ月間で約24万7千人と5倍近くに増えた。「品質が高い」との評価が約7割にのぼる。

最後はASC認証の白身魚パンガシウス(ナマズの一種)をイオンで買い調理してみた。バターで焼くだけでふっくらおいしく食べられる。知らないうちに海洋資源と漁業を守りながらなじみの薄い魚を味わう方法が増えている。

◇  ◇  ◇

未利用魚の活用は食文化保護につながる

石井さんは漁獲量が減る現状を憂えている

未利用魚の活用は食文化を守ることにもつながる。シェフの石井真介さんは「10万円分の魚を大量に捕るのと少量でも高い魚で10万円稼ぐのでは、どちらが環境にいいかはっきりしている」と強調する。鮮度を保ち、加工することで、捨てられていた雑魚は価値を持ち雑魚ではなくなる。

未利用魚の価値を上げることは「漁師さんも我々料理人も消費者も得をする。さらに海の資源を守ることになる。そうすれば、今の食文化を何とか継続できる」(石井さん)。石井さんは大好きなウナギを食べるのは年に2回だけと決めている。見習いたい。

(大久保潤)

[NIKKEIプラス1 2021年5月15日付]