第2部のステージ

“裏切らない芳雄メドレー”をクライマックスに、第1部は1時間強でしたが、曲目にすると40曲近く。1人で歌い続けたので、それだけでかなりのボリュームです。休憩をはさんで、第2部からはゲストの方々が登場。『井上芳雄 by MYSELF』のスペシャルライブの色合いが濃くなり、舞台にはラジオのブースを模したセットが出てきて、大貫さんがBGMを生で弾いて、ディレクターの秋山瞬さんも登場。ラジオの雰囲気のまま、ブースにはゲストの方々にも入ってもらい、お悩み相談を聞くなどしました。コンサートは普通スタンディングトークですけど、僕は座って話すのが重要だと考えています。人は、ちゃんとした椅子とテーブルがあるところに座ると、落ち着きます。だからこそ聞ける話があって、そこがこのコンサートの面白いところ。そんなトークをはさみつつ、ゲストの方々と次々とデュエットしました。

ゲストコーナーは、当初の東京公演3日間のゲストが全員来てくれたので、まず3日分のコーナーが続くという構成にして、その後で全員が再び登場して、それぞれが「愛してやまないもの」の写真を紹介するエピソードトーク。そして全員で『ぼよよん行進曲』を歌うという流れでした。

最初のゲストコーナーは、アッキー(中川晃教君)と田代万里生君とサカケン(坂元健児)さん。万里生君とサカケンさんは『井上芳雄 by MYSELF』スペシャルライブに毎回ゲストに来てくれている、おなじみの2人です。挑み方も分かっていて、ネタをしっかり用意してきてくれました。

万里生君は、毎回男女のデュエットソングで女役を歌うのがお決まりで、何の役をやるのかラジオのリスナーはみんな楽しみにしています。今回は『マリー・アントワネット』から『私たちは泣かない』をマリー役で歌ったのですが、わざわざこのために、前から見ると男物のロングベストで、後ろから見るとケーキ柄のドレスになっている衣装を特注で作ってきてくれました。フェルセン役の僕に抱かれるとドレスになるという仕掛けです。しかも目薬をさして泣いてみたり、昭和のコントみたいなことまでやってくれました。最初に、こういうことをやりたいという企画書まで出してくれて、並々ならぬ熱意がすごいのですが、ミュージカル俳優として頑張りどころがちょっと違っている気もします(笑)。

サカケンさんは『ライオンキング』のオリジナルキャストで初代シンバ役なので、『ハクナ・マタタ』を歌うのが毎回のお約束。そこにいくまでに「ハクナ・マタタ」に似た言葉を駄じゃれで言わせるのも毎回のことで、今回も少し長いやりとりがあって、歌っていただきました。リスナーの方には喜んでもらえたと思います。面白エピソードもたくさんお持ちで、『ライオンキング』を公演中の劇場の駐車場に新車が納車された話を披露してくれて、大爆笑でした。年々ぶっちゃけ自虐キャラみたいになってきて、僕も突っ込みやすいし、ありがたい先輩です。もちろん歌えば、バズーカのようなすごい歌声にほれぼれします。

そんな頼もしい2人に、アッキーが加わってくれました。『井上芳雄 by MYSELF』のスペシャルライブは初めてですが、何回も共演していますし、サカケンさんや万里生君とも親しいので、『ハクナ・マタタ』も4人で歌いました。アッキーは盟友のような存在なので、一緒に『僕こそ音楽』を歌ってくれただけで、ほかに何も説明がいらない気分になります。彼には即興ミュージカルという特技があって、どこに着地するか分からないので、最後までドキドキします。そんな気心の知れた3人だったので、トークが長くなって時間が延びてしまいました。それもライブならではのお楽しみです。

加藤和樹君とはいだしょうこさんがもたらした新風

次のゲストコーナーは加藤和樹君とはいだしょうこさん。加藤君も初登場で、舞台の作品でも共演したことがないので、新鮮な顔合わせに見えたと思います。ミュージシャンでもあるし、ロックっぽいものが得意だと思うので、『RENT』から『ホワット・ユー・オウン』と、B'zの曲を歌いたいと言ってくれて、『ALONE』を一緒に歌いました。僕はB'zの曲を歌うのは初めてなので、加藤君の世界に呼んでもらったというか、新しい挑戦でした。彼はとてもまじめで、しっかり準備してきてくれました。ワイルドな見た目なのですが、謙虚な好青年で、なんでも一生懸命やってくれるし、進行の手伝いもしてくれて、気の利く後輩という感じでした。本当に頼りがいがあります。

はいださんとは同い年で、ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』で共演したり、はいださんの公式YouTubeチャンネルに呼んでもらったりと、仲良くしています。エピソードトークでは、ニューヨーク在住だった2歳のときに買ってもらって以来、かわいがっているという羊のぬいぐるみのメーメーちゃんを写真で紹介するだけでなく、実物を持ってきてくれて、ゲストのみんなに大受けでした。トークのボケもすごい破壊力でしたが(笑)、なによりわざわざ実物を持ってきてくれた、その気持ちがありがたかったです。

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