2021/5/19

不安がるより「何とかできる!」という思い込みも大事

子ども1人育てるのにかかる1300万円は、当然のことながら、子どもを産む前に用意しておかなくてはいけないものではありません。毎月の収入で生活するなかで、長期にわたって支払った合計額の平均が1300万円ということです。

時には教育費として、入学金や授業料などのまとまった資金が必要になるでしょうが、頻度は多くありません。これらは毎月の給与からやりくりするには厳しい金額かもしれませんが、1300万円に比べるとだいぶ少ない金額です。ですから、子育てにかかるお金は「どうにかできるかしら」ではなく、「何とかできる」「何とかする」と思い込んでもよいとも思うのです。生活をしながら、まとまった教育費を準備するためにお金をためることもできるはずです。もちろん、前提に家計管理は必要になりますが、無理難題と諦めるのは早計です。

子育てを支援するために「児童手当」があり、条件はありますが幼児教育・保育や高等教育の無償化も進んでいます。なんだかんだいっても、子育てがしやすいよう、様々なサポートが用意されています。それらを上手に使っていきましょう。一方で気になるのは、「教育無償化や児童手当で浮いた分を、塾などに使えるわ」という意見を現場で聞くことが多いこと。そんな風に考えるのは、子どもの教育にお金をかけすぎることにつながりかねず、のんきではないかと感じます。そうならないようにしたいものです。

話を戻します。子どもを育てていると、子どもが「教育を受ける場」について考える時期もあります。つまり、小学校、中学校、高校、大学に進学するときに私立にするか、公立にするかなど、学業のレベルや学校環境により選択したくなるのです。そういう場面に当たったとき、「何が何でも希望を優先したい」と突き進んでしまうと、失敗します。自分たちの希望と、家計や資産状況、受けられるサポートなどと照らし合わせ、どういう選択が可能なのかを子どもを交えて考えましょう。お金がかかるのは一時とはいえ、将来の資金計画に影響を及ぼしてしまってはいけません。きちんと計画をしていけば、子どもが2人以上いても困窮した家庭にはならないのです。

子育ての環境は改善している

子育てには確かにお金がかかります。これは昔からそうです。今では共働きが当たり前になってきていますから、金銭的に見ると昔より有利になっているかもしれません。そして、幼児教育・保育、高等教育が無償化され、実は昔より子育てするお金については困らなくなったのではないかなとも思います。

また、昨今のテレワークの増加などから、働きながら子どもと過ごす時間が増えたという人も多くいます。これが当たり前になってくると、より仕事と子育ての両立も考えやすくなるでしょう。そして副業も認められる時代です。収入の在り方も変化しています。

つまり、子育て費用を何とかできる可能性は、以前より高くなっているのではないかと思えるのです。あまり言うと無責任だと言われるかもしれませんが、何とかできる状況に、徐々に改善されているのです。それでも「教育費が心配」などという不安があるのなら、心配すべきは、子どもに期待し、成績や環境は良いが学費の高い学校に通わせたいと考える親の「欲」や「見え」かもしれません。これも悪いことではないのですが、家計状況に見合った育て方をするということが大切なのではないでしょうか。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。

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