SDGsを子供と考える ビジネス街で児童書がヒット紀伊国屋書店大手町ビル店

児童書の書棚の平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)
児童書の書棚の平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。ゴールデンウイークに緊急事態宣言が重なり、都心の書店の来客は少ないままだ。そのためか、一般向けビジネス書の新刊への反応は鈍い。そんな中、ランキング上位に顔を出してきたのは、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)という話題のテーマを取り上げた児童書だった。

親子で学べるSDGs

その本は笹谷秀光監修『大人も知らない!? SDGsなぜなにクイズ図鑑』(宝島社)。オールカラー、ルビ付きで150ページ足らず。わかりやすさを前面に押し出した見るからに小学校中学年ぐらいから読めそうな本だが、環境省大臣官房審議官なども務めた官僚出身のSDGs専門家の監修なだけに、子供たちに「自ら考え自ら学んでもらう」「親子でSDGsを学ぶ」工夫が随所に施されている。ビジネス街の同書店では児童書が売れ筋になることはまずない。「当店の児童書売り場は狭いし、あまり目立たないのに、ランキング上位に入ったのには驚いた」と同書店でビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。

全体は3部構成。パート1は「最近よく聞くSDGsって何?」で、世界が直面しているさまざまな課題を解決するためにつくられた目標という観点から、SDGsの内容や意義を簡潔に解説する。全体の半分以上を占めるのが、パート2の「SDGsなるほどクイズ」。世界や日本が抱えている課題とその解決のヒントをクイズ形式で紹介する。パート3は「SDGsアイデア&アクションノート」で、読者が「毎日の暮らしの中で何ができるか」を考えるヒントとツールを提供する。

どの項目も見開き2ページでほぼ1ページ分の文章、1ページ分のイラストでまとめる。パート2で見てみると、例えば「世界で一番女性の国会議員が多い国は?」とあって、日本、アメリカ、ルワンダの3択から答えを選ぶクイズがまず右ページ上段に示される。その下に300字強の解説と「もっと知りたい」というミニ情報。加えてSDGs17の目標のどれに関連するかが示される。左ページには、国会議員に女性が占める割合の国別ランキングのイラストがクイズの答え(ルワンダ)と4つのミニ解説と一緒にレイアウトされるという具合だ。

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