検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

マンション選びプロの視点 新築・中古別注意点13選

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

在宅勤務の普及で住まいを見直す人が増えている。新築マンションで価格高騰や専有面積の縮小などが生じるなか、都市部で人気が高まっているのが、中古マンション。購入する際、特にどのような点に気をつけるべきなのか。不動産のプロにマンション選びの注意点を尋ね、より多くの専門家に支持されたものをランキングした。(ランキングは下に掲載)

新築の価格高騰で中古が人気に

人生最大の買い物の一つである住宅。住宅全体では「新築志向」が強いのが日本の住宅市場の特徴だが、都市部のマンションに関しては新築供給戸数が限られ、価格も高騰していることから、中古に目を向ける人が増えている。

特に首都圏マンションはここ数年、新築供給戸数を中古成約件数が上回る状況が続く。中古に割安さを求める人はもちろん多いが、それだけではない。最近の新築マンションは価格が高くなり過ぎるのを防ぐ狙いから「専有部を小さくしたり、共用設備を少なくしたりする例も目立つ。こうした物件を敬遠し、新築を十分購入できる経済力がある人が、あえて築浅の中古物件を選ぶことも増えている」(渕ノ上弘和さん)という。

ただ、新築と中古の住宅は税金や保証のルールが異なることは意外に知られていない。例えば、購入時の消費税。土地は新築、中古を問わず非課税だが、中古は個人から買う場合は家屋についても消費税はかからない。半面、購入後に税負担を軽減する住宅ローン減税は、個人から買う中古の方が減税の期間や上限額では制約がある。

購入前に発見できなかった問題は保証を徹底活用

購入の際に可能な限り目配りをしても、ときとして購入・入居後に重大な不具合に直面することもある。大手不動産会社が販売した新築や築年数が浅い中古物件でも過去数年、不適切な工事や欠陥などが断続的に発覚している。

特に未完成の状態で購入契約を進めることになるのが一般的な新築マンションの場合「購入前に一般的な人が欠陥などをすべて把握するのはかなり難しい」(さくら事務所の土屋輝之氏)。中古の場合も、管理組合などが協力的でないと、購入前に多くの情報を集めることは難しい場合もある。

土屋氏は「新築の場合、自分の部屋だけでなく、共用部も含めて引き渡しから1~2年後まで不具合を保証するアフターサービスを徹底活用し、入念にチェックするのが一つの手だ」と話す。中古の場合もこうしたアフターサービスによる修理や修繕履歴などを確認することで、引き渡し後の不具合の有無をある程度、確認できる。

ただ、ここでも新築と中古では保証の仕組みが異なるので要注意だ。新築は「構造耐力上主要な部分」と「雨漏りを防ぐ部分」の欠陥などは法律で10年は売り主が修理する責任を負うが、中古は不動産会社など法人から買う場合と、個人から買う場合でルールが異なり、個人から買う場合はごく短期間の保証しかない例もある。個別物件のチェックポイントに加えて、こうした制度面の違いも念頭に置いておくことが重要だ。

何かと点検項目が多いマンションだが、戸建て住宅にも独特の注意点がある。典型例は修繕費だ。マンションのように積み立てする制度は通常、存在しないのでローン返済などとは別に自ら貯蓄していく習慣が必要だ。

中古マンション

1位 修繕歴・積立金

 990ポイント

入居後に払う管理費や修繕積立金。金額を確認しない人はまずいないが、見落としやすいのは、マンション管理組合の会計収支だ。「黒字経営なら問題ないが、運営状況が悪い場合もある」(花原浩二さん)ので、入居後すぐ値上げということも考えられる。もっとも、「値上げ自体はネガティブではない。むしろ修繕計画からみて、必要な上昇なら長い目でみて資産価値にはプラスだ」(渕ノ上弘和さん)。

積立金などは築年数や規模などがほぼ同じ条件の周辺マンションと比べておきたい。「築20年以上なのに、毎月の積立金が安い場合は修繕のために一時金を徴収しないと今後、資金が不足する可能性がある」(畠中雅子さん)。管理組合に必要な資料の提示を求め、まず過去の修繕履歴と今後の計画をチェックしたい。「マンション購入は株式投資と似ている。管理組合の収支や将来の資金計画を無視して投資はできない」(土屋輝之さん)

2位 駅との距離

 980ポイント

在宅勤務の普及で駅から遠い住宅への関心も高まったとされるが、長い目では駅に近い立地が有利とする専門家が多い。「最寄り駅から徒歩10分、できれば5分以内が理想的」(榊淳司さん)と、目安を提示する人もいた。また、「直線的な距離ではなく、(実際に移動する際の)道のりが重要だ」(池本洋一さん)という指摘も聞かれた。

中古の場合、将来もし手放すときの売却額評価では築年数が古いことは不利に働くだけに、新築以上に利便性にはこだわるべきだという考え方もある。「私も中古マンションを購入するときは駅からの距離に最もこだわった。結果、築15年になった今も購入希望者が多数いる状態を保てている」(畠中さん)と実体験に基づく助言もあった。

3位 環境や雰囲気

 945ポイント

周辺の街の状況は大切だ。例えば、マンションから「近隣の公園や病院、学校、お店へのアクセスの利便性は必ずチェックしたい」(上田真一さん)。また、中古の場合、マンション内の雰囲気もできる限り確認したい。「近隣世帯との関係は最もトラブルになりやすいこと。可能であれば、購入を考えている部屋の両隣だけでなく、上下階まで確認したい。可能な範囲で玄関やポストだけでも見るといい」(花原さん)。マンション全体でみて、どんな年代・家族構成の世帯が比較的多いのかを事前にチェックしておくのも一つの手だ。

4位 資金計画

 940ポイント

大きな買い物である住宅購入。「資金計画を立てず家探しをするのは非現実的だ。自己資金とローンのバランスなどを慎重に見極めたい」(久谷真理子さん)。マンションの場合、ローンの返済額や固定資産税などに加えて「管理費や積立金が長く続くコストとしてかかり、途中で引き上げになることも多い。物件選びに先だって生涯のキャッシュフロー(現金収支)を専門家にしっかり試算してもらうべきだ」(黒須秀司さん)。

5位 建築時期

 810ポイント

1981年6月に耐震基準が新しくなる前に建築確認を終えた物件は「旧耐震基準」とされ、その後に耐震補強などに取り組んだマンションかは確認が欠かせない。建築確認は工事前なので、建築年が81年6月以降だから安心とは限らない。建築確認日が不明な場合は「建築年が83年4月以降かが目安だ」(山本さん)。「旧耐震基準で今後、耐震補強を予定している場合は費用をどう工面する計画かも確認したい」(黒須さん)

6位 地域の将来性・開発計画

 530ポイント

周辺の雰囲気だけでなく、データで地域の現状や将来性を探ってみることも検討しておきたい。「環境、治安、学区などで物件を選ぶ人は多い」(鈴木誠さん)ため、そうした条件を丁寧に確認しておくことで、地域の未来像までをある程度、推計できる場合もある。周辺環境がひとたび変化してしまうと「自分の力では変えるのが難しいことに加えて、生活していく上での影響は大きい」(久谷さん)。慎重に分析に取り組みたい。

7位 共用部はきれいか?

 480ポイント

自分たちが暮らす予定の専有部ばかり気にしていると盲点になりがちだが、エントランスやゴミ捨て場などマンション共用部の掃除が行き届き、清潔に保たれているかが重要だ。中古物件では「こうした点にこそ管理状況が表れる」(井出さん)ため、マンションの資産価値にまで大きく影響することもある。「管理人任せではなく、住民が主体的に清潔な状態の維持に関わっていることが理想だ」(上田さん)

8位 間取りの使いやすさ

 470ポイント

意外に誤算が多い項目が間取りだ。「選び方を間違えるとストレスを感じながらの生活になりかねない。家族構成によって適した間取りは変わるので先のことも念頭に入れて考える」(川口さん)。また、将来的に売却を考える際、幅広い層に受け入れられやすい間取りとなっているかは評価の高低を分ける点の一つ。「(バルコニー側の間口を広くとる)ワイドスパンだと間取りの変更の自由度も、日当たりや風通しもいい」(池本さん)

9位 災害リスク

 430ポイント

相次ぐ地震や台風、集中豪雨などの水災と近年、大規模災害が目立つなか、マンション選びの見逃せない要素として浮上しているのが災害リスクだ。海や川などが近くにあるか、地盤はどうかなどについて「ハザードマップのチェックと、過去にどのような被災歴があったかの確認が必要だ」(榊さん)。「特に建物で防ぐことができないような大きな災害リスクが想定される地域は避けるべきだ」(田村さん)

新築マンション

1位 駅との距離

 1060ポイント

新築については、駅からの徒歩距離が首位に立った。戸建て住宅に比べると、マンションは部屋の広さや居住用設備はある程度は標準化される例が多いだけに、「特にマンションでは利便性は命と言える。将来的な資産価値を左右する」(井出武さん)、「駅との距離は他人に売る時、貸す時の金額に直結する」(渕ノ上さん)といった声が目立った。

自分が暮らしていく上でも、交通の便が良いことはプラスだ。「現役世代の間の通勤・通学だけが問題ではない。例えば、今は自家用車があっても、車に乗らなくなる老後生活も考えれば、駅からの距離には関心を払っておきたい」(川口哲平さん)という指摘もあった。

2位 環境や雰囲気

 980ポイント

新築はマンション内の状況をしっかり把握するのはやや難しいが、近所の雰囲気などは把握できる。「住んでいる街が好きでなければつまらない生活になってしまう。長く住む視点で10年後も快適に過ごせるかを見てほしい」(山本久美子さん)

街は多角的な顔をもっている。昼は閑静なたたずまいなのに、夜は人が増え、にぎやかになるなど「昼と夜で雰囲気が違うこともある。時間帯をずらして複数回、見学に行くのも手だ」(東誠人さん)。

3位 資金計画

 960ポイント

住宅価格は総じて堅調だが、特に新築マンション価格はバブル期以来の水準に達する地域もあるとされる。住宅ローンは「数十年にわたる返済期間を考えるのはもちろん、老後資金や子育ての資金も踏まえた計画が欠かせない」(東さん)。何とか手が届いても、ローン返済負担が重く、教育資金などに手が回らないような事態は避けたい。一方、日常の娯楽費などを過度に切り詰めることになるような「無理な資金計画は日々の暮らしを圧迫し、楽しく生活できなくなる」(鈴木さん)。

4位 地域の将来性

 730ポイント

周辺状況を冷静にデータで見極める目をもつことは重要で「衰退都市のマンションを買わないようにデータから街の活性度をみる姿勢が大事だ」(井出さん)。様々なデータの中でも特に人口の動きや都市計画などを重視する専門家が多く「人口急減エリアは避けるべきだ」(榊さん)という声があった。新築は購入価格が高い例が多いので、周辺環境の変化で資産価値が低下すると売却時、自宅を手放してもなおローンが完済できないなど経済的ダメージは大きくなりやすい。

(堀大介)

ランキングの見方

 購入時に確認したい項目。数字は専門家の評価を点数化。イラストは藤沢愛、鎌田多恵子。

調査の方法

 住宅の購入、維持、管理、修繕や購入資金に詳しい専門家の協力を受けて「分譲マンションの購入を検討する時に確認したい注意点」を、新築と中古でそれぞれ23項目を抽出した。その後、15人の専門家に個人が物件を選定する際に、「見落とすと生活に与える影響が大きい」「適切に確認することで入居後の暮らし向きに良い影響を与える」などの観点から順位をつけてもらい、編集部で集計した。

評価に参加した専門家

 ▽東誠人(LIFULLハウジングアドバイザー)▽池本洋一(SUUMO編集長)▽井出武(東京カンテイ上席主任研究員)▽上田真一(空家・空地管理センター代表理事)▽川口哲平(クラッソーネCEO)▽久谷真理子(フリーダムリンク)▽黒須秀司(FP住宅相談ネットワークCEO)▽榊淳司(住宅ジャーナリスト)▽鈴木誠(誠不動産代表)▽田村啓(さくら事務所ホームインスペクター)▽土屋輝之(さくら事務所マンション管理コンサルタント)▽畠中雅子(ファイナンシャルプランナー)▽花原浩二(MARKS代表)▽渕ノ上弘和(FFP代表)▽山本久美子(住宅ジャーナリスト)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2021年5月15日付]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_