2021/5/19

高度な製造技術とジュエラーの美意識を融合した「ショパール」

女性に絶大な人気を誇る高級ジュエリーブランドというイメージが強いショパールだが、実は1860年にスイスのジュウ渓谷で時計工房として創業。懐中時計の時代から優れたムーブメントの作り手として知られ、宝飾市場への本格参入は1963年からだ。つまりジュエラーである以前に名門のウオッチメーカーとして長い歴史を持つわけだ。

一時期はジュエリーウオッチに傾注していたものの、1996年にはついに自社開発ムーブメント、「Cal.L.U.C 1.96」を開発。見事に時計界を代表するマニュファクチュールに返り咲いている。

成功者の腕にふさわしいブランドバリューを備え、デザインとメカニズムの双方で独特の気品を感じさせる時計が欲しいなら、間違いない存在といえよう。

〈男性〉ブランド初のジャンピングアワー

ショパール「L.U.C クアトロ スピリット 25」

L.U.C クアトロ スピリット 25 ケース:40mm、18Kエシカルローズゴールド製、シースルーバック、30m防水 駆動装置:機械式手巻き、パワーリザーブ約 192時間 価格:562万1000円 世界限定100本

2021年は、自社製ムーブメント「L.U.C」の製造拠点であるショパール マニュファクチュールを設立してから25周年の節目。それを記念して登場したのが今作だ。小窓の“時”表示が瞬時に切り替わる、ジャンピングアワーと呼ばれる機構を搭載するのはブランドとしてこれが初。職人が手がけたノーブルなおもむきのグラン フー(高温焼成)エナメル文字盤には分針しかなく、ちょっとウイットを感じさせるドレス時計がお好みなら最適だ。

しかも搭載する薄型ムーブメント、L.U.C 98.06-Lがすごい。上下に香箱(動力源となるゼンマイを納めた部品)を重ねた積載式の香箱を2組、つまり計4つの香箱を備えており、エネルギー消費の激しいジャンピングアワーでありながら、約192時間(8日間)もの超ロングパワーリザーブを実現している。気品あふれる外観からうかがえないこのタフネスぶりも、自らが目指す人物像に重なるという企業トップも多いのではないだろうか。

〈女性〉文字盤上でダイヤモンドが踊る

ショパール「ハッピースポーツ ザ ファースト」

ハッピースポーツ ザ ファースト ケース:33mm、ルーセントスティールA233製、シースルーバック、30m防水 駆動装置:機械式自動巻き、パワーリザーブ約 42時間 価格:218万9000円 世界限定788本

2枚のサファイアクリスタルの間にダイヤモンドをセットし、時刻を確認する度に文字盤上をダイヤモンドがくるくる舞い踊る様を楽しめる……。そんなユニークなデザインの「ハッピースポーツ」は、1993年の誕生以来ショパールを代表するレディースウォッチとして人気を博してきた。

その初代モデルの復刻版として今年登場したのが「ハッピースボーツ ザ ファースト」だ。“ムービングダイヤモンド”のギミックと小石を連ねたような“ガレ”リンクブレスレットを初代から受け継ぐ一方、黄金比の原理から着想を得て新たにデザインされた径33mmケースをまとい、ムーブメントにも自社製の自動巻き“LCal.09.01-C”が与えられた。写真はベゼルにダイヤモンドをセットしたバージョン。マザー・オブ・パールの文字盤と相まって非常にエレガントな仕上がりだ。企業のトップはドレスアップして人前でスピーチをする機会も多いと思うが、そんなシーンにとても映えるだろう。

天才時計師の開発精神を継承「ブレゲ」

ブレゲの創業者アブラアン・ルイ・ブレゲは、機械式時計の基本的なメカニズムを確立したほか、トゥールビヨンやミニッツリピーターなど数々の複雑機構を発明した18世紀の天才時計師。彼の発明は時計機構のみならず、デザインや装飾にも及んでおり、今多くの高級ブランドが当たり前のように採用しているディテールも、じつはブレゲ発というものが多い。

その開発精神は今も着実に息づいており、脱進機(ゼンマイがほどかれる力を一定に制御する機構)にシリコンをいち早く採用したほか、磁石を用いた調速機構など前代未聞のメカニズムを毎年のように発表している。時計の歴史を2世紀早めたと言われる創業者の名声に甘んじず、機械式時計をさらなる先のステージに進ませるべく革新を重ねる姿は、現状に停滞したくない企業トップの琴線に触れるはずだ。

〈男性〉トゥールビヨンの最高傑作

ブレゲ「クラシック ダブルトゥールビヨン 5345 “ケ・ド・ロルロージュ”」

クラシック ダブルトゥールビヨン 5345 “ケ・ド・ロルロージュ” ケース:46mm、プラチナ製、非防水 駆動装置:機械式手巻き、パワーリザーブ約 50時間 価格:7766万円

すでにいろんなジャンルの高級時計を所有し、最後にミュージアム級の1本をコレクションに加えたいという企業経営者もいるだろう。そんな人には、2020年にブレゲが発表したこの超複雑なスケルトンウォッチは極めて魅力的に映るはず。それぞれ1分間で1回転する2つのトゥールビヨンを対角上に配置しだけでなく、それを載せたプレート自体も12時間でゆっくりと一回転するという、まさに複雑時計技術の粋を凝縮した仕上がりなのだ。

じつはこちらはブレゲが2006年に発表した「クラシック ダブルトゥールビヨン」のスケルトンバージョン。もちろん単に文字盤を外して機構を見せるようにしただけでなく、デザインの隅々にまで細やかに手が入れられている。精密かつ芸術的な装飾が随所になされ、シースルーバックからのぞくムーブメントにには創業者ブレゲが居を構えたパリのケ・ド・ロルロージュ河岸39番地の建物が彫り込まれている。

トゥールビヨンを生み落としたブレゲの名に恥じない、歴史的な傑作だ。

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