佐藤可士和氏「浮世絵モチーフに浪速の祭りを表現」

グローバル旗艦店1号店の浅草ROX店に続き、2号店である道頓堀店の内装も手掛けたのが、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏だ。浅草ROX店は「お祭り、縁日」がテーマ。白木で清潔感あふれる店内には高い天井を生かした「やぐら」や射的場など、一目で日本らしさが伝わる内装に仕上げた。その独創性の高い内装は、20年4月に施行した改正意匠法による意匠登録第1号に認定された。道頓堀店について話を聞いた。

――道頓堀店は、浅草ROX店と同じ「観光と食(SightEating)」のコンセプトを引き継ぎつつ、大阪・道頓堀の地域性を生かした「浪速の祭り」をテーマにアレンジを加えたそうですね。

佐藤可士和「浅草ROX店の構想は歌川広重の浮世絵に着想を得ました。すしの屋台の近くに、てんぷらやおだんごなど他の食べ物の屋台も並び、道化者もいる。自由に買っては楽しんでいるにぎわった江戸の大衆文化が表現されていて、『まさにくら寿司が現代でやっているのはこの世界観だ』と思ったのです」

「そのにぎわいを表すテーマとしては、祭りや縁日がぴったりでした。店内は天井が高いため、それを生かしてやぐらを組みました」

くら寿司 浅草ROX店内の様子。座席数は272席。歌川広重の浮世絵(右上)に着想を得た
グローバル旗艦店1号店に続き、2号店も手掛けたクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏

「道頓堀店でも五雲亭貞秀の浮世絵『浪速天満祭』をモチーフに祭りらしさを表現しました。浅草ROX店ほど天井の高さがなかったので、白木を平行に組んでやぐらを“切り出し”ました。また、浅草では射的場を設けたのですが、道頓堀ではその広さがなく、屋台を置くために座席数を減らせば売り上げに影響が出るため、(発光ダイオード(LED)を仕込んだちょうちんを壁面に並べた)『提灯ウォール』でエンターテインメント性を演出し、フォトスポットにしました」

五雲亭貞秀の浮世絵「浪速天満祭」が飾られたエントランス
LEDを使用した「提灯ウォール」

――フォトスポットは店舗の要素として重要ですか。

佐藤「はい。浅草店でSNS(交流サイト)での評判を見て来店する人の多さを実感しました。提灯ウォールも人を入れて写真を撮ってみると、最初は逆光で顔の写りが良くなかったのですが、光を調整したりライトを増設したりして、誰が撮ってもキレイに写るようにしました」

数万通りの色合わせができ、季節に合わせた色の演出も
高級スイーツブランド「KURA ROYAL(クラロワイヤル)」のプロデュースにもネーミング、ロゴ、メニュー開発に携わる。「すしは高さが低いので、スイーツは高さのあるもののほうが“映える”」(佐藤氏)。写真は左から、「ストロベリークリームソーダ」「メロンクリームソーダ」「ブルーレモンクリームソーダ」(各税込み429円、期間限定)
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