注意信号(2) 同僚、部下が相談してくれない

専門性を買われて入社したミドルやシニアは、「よし、自分のプロフェッショナリティーを提供しよう」と意気込みます。それ自体は当然良いことで、あなたに期待されていることでもあります。しかし、ここに落とし穴があるのです。先に挙げた注意信号(1)の発生原因とも密接に関連します。

着任後、最初のミーティングであなたはメンバーに挨拶します。

「私は前職までマーケティングで実績を残してきました。いろいろと教えてあげるから、何でも聞いてください」。

この言葉を聞いて、既存のメンバーたちは、一気に鼻じらみ、しらけてしまいました。

あなたからすれば、悪意は全くありません。特に専門領域で自信がある人であればあるほど、「この会社には前職でやったあの戦略が使える」「この商品には、前々職時代に展開したあのプロモーションが効果的だろう」と思い至るでしょう。

また、今後の会社のメンバーたちの誰もが知っているであろうメジャーな商品の企画に携わっていた場合は、誰もがその話を聞きたいはずだと考えるかもしれません。このような思いから、いろいろと話してあげようと考えたわけです。

しかし、人は自分が思うほどにはあなたに興味を持ってはいません。また、そもそもは注意信号(1)でも述べた通り、あなたはまだ新参者で、この会社のことをよく知らない(はず)。だから、周りの人たちは、あなたの勝手流でこれまでの会社のことを持ち込まれても困ると思っているわけです。

先ほどのあなたの言葉を聞きながら、メンバーたちはこう思ってるでしょう。「『いろいろと教えてあげる』じゃないだろう」と。彼らが内心で思っている本音に早く気がつきましょう。

赴任したら、まず発信すべきメッセージは「教えてあげる」ではありません。「この会社のことをいろいろと教えてください」なのです。

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注意信号(3) どうも同僚、部下の視線が冷たい
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