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事業の撤退・縮小を機に、転職を検討するケースは多い(写真はイメージ=PIXTA)

事業の撤退・縮小を機に、転職を検討するケースは多い(写真はイメージ=PIXTA)

製造業のエンジニアの皆さんが事業の撤退・縮小を機に、転職を検討するケースは多数見られます。そして、同業種の求人を探しても見つからず、異業種に目を向けた結果、活躍できるステージに出合うことがあります。今回はリクルートで製造業のエンジニアの転職支援を手がけるHRエージェントDivision コンサルタントの井上和真氏が、具体事例を交えて転職市場の実情を伝えます。

「僕の経験が生かせるとは……」

<Aさん(30代後半/男性)のケース>
前職     :非鉄金属メーカー/研究開発
現職(転職先):半導体メーカー/研究開発
年収変化   :830万円→830万円

「僕の経験が生かせるとは思えないのですが……」。私がご紹介した求人案件に対し、Aさんは当初、気乗りしない様子でした。非鉄金属メーカーで研究開発を手がけてきたAさん。しかし、経営方針の変更によって専門分野の研究を継続することができなくなり、転職活動を開始しました。

Aさんの要望は「培った経験・知見を生かしたい」。しかし、製造業では守秘義務などの観点から、同業他社への転職が禁じられていることもあります。何より本人に「これまで世話になった会社への義理を欠くことはしたくない」という思いがありました。

そこで、私は異業種でAさんの経験を生かせる領域を探ってみました。着目したのは半導体メーカー。領域は異なりますが、要素技術が生かせると考え、求人を紹介しました。当初は「自分の経験には合わない」と思ったAさんでしたが、試しに応募。面接で現場責任者と直接話をする中で「確かに自分の経験を生かせる」と納得し、入社しました。

未経験の業界に転職した場合、年収がダウンするケースが多いのですが、Aさんへの提示は前職年収と同額。半導体業界未経験でも要素技術によって即戦力になり得ると見込まれたため、年収を落とさずに済んだのです。

このように、一見異なる領域に移ったとしても、技術力を転用できる場合は年収を維持できる可能性があります。しかも、場合によっては年収アップも可能。次に紹介するBさんは年収が200万円強アップしました。

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