Men's Fashion

スーツやジャケットを仕立てるなら 生地の名作図鑑

How to

2021.5.22

MEN'S EX

自分にとっての最高の一着を仕立てるには、名作と呼ばれる生地についても、ぜひ知っておきたい。今回は業界でも生地通として名高い、日本橋三越本店のバイヤーである鏡さんに、趣味性の高さとリアルな着やすさの両面を考慮し、春夏のイチオシ生地を目的別に厳選してもらった。




Guide Person

Profile

日本橋三越本店 鏡 陽介さん

日本橋三越本店の、紳士服フロアのオーダーバイヤーを務める、オーダー部門の司令塔。世界各国のテーラーや生地メーカー、サプライヤーからの信頼も非常に厚く、様々な種類の生地への造詣が深い。

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Profile

日本橋三越本店 鏡 陽介さん

日本橋三越本店の、紳士服フロアのオーダーバイヤーを務める、オーダー部門の司令塔。世界各国のテーラーや生地メーカー、サプライヤーからの信頼も非常に厚く、様々な種類の生地への造詣が深い。

艶やかでドレッシー! 勝負服を仕立てるなら?

No.1 タリア・ディ・デルフィノのハニーウェイソラーロ

ソラーロの中では抜群の光沢

「一般的なソラーロと異なり、目付け250gとウエートが軽く、夏でも着やすいこちらの生地。マットな生地感が多いソラーロのなかでも、こちらは生地のフィニッシュに同社独自の加工を施しています。それにより、非常にシャイニーで色気のある表情を獲得しているのです」

◇  ◇  ◇

No.2 ドーメルのオリジナルトニック

モヘア原毛をふんだんに使用

「1957年に発売されたオリジナルトニックと同様の紡績手法で作られたモヘア糸を3PLYの強撚(きょうねん)にして織り上げた、トニック復刻服地。モヘアの原毛が高混率になっていることで、とても光沢感があり通常のモヘアの服地よりドレッシーさが抜群です」

◇  ◇  ◇

No.3 ウェインシールのウェインゴラシュプリーム

質実剛健かつドレッシー

「ウールとモヘアとシルクを混紡したこちらは、シルクとモヘアの光沢があり、かつしっかりした生地感も備えています。英国生地らしい質実剛健さもありつつ、見た目の美しさもあるバランスの良い生地と言えます。シワにもなりにくく着やすい生地でもあります」

とにかく涼しい! 暑がり汗かきへのイチオシは?

No.1 ドーメルの15.7 6PLYアーマード

上質な原毛をハイツイストし軽快に

「繊細な原毛を6 PLYの強撚にして織り上げた傑作。しっかりとした耐久性がありながらも、清涼感と滑らかさが融合したラグジュアリーな風合いがあります。NANO加工を施し機能性もあり、防具を意味する名前通り梅雨シーズンにもまさにプロテクトされた服地です」

◇  ◇  ◇

No.2 アンジェリコのゴルゴモーロ

リアルな買い求めやすさも魅力

「高価格帯のイメージがあるフレスコですが、こちらはリアルにお求めやすくおすすめです。生地のタッチもフレスコ調なので凸凹しており、肌に触れてもべたつかず、また生地自体も強撚糸で織り上げているのでシワになりにくく、風通しの良さも備えています」

◇  ◇  ◇

No.3 ハーディー ミニスのフレスコライト

王道の現代的進化

「フレスコと言ったら真っ先に名前があがる、同ブランドの生地ですが、それを現代的に軽やかに、自然なストレッチ性も持たせて織り上げたのがこちらです。フレスコの風合いと着やすさを兼ね備えたこちらは、まさに王道の進化と言えるような生地でしょう」