Men's Fashion

ダイバーズウオッチ 海の命綱、本物の機能美

編集長探訪

編集長探訪 腕時計編(4) パネライ

2021.5.14

腕時計は、小さなボディーに超絶技巧の装飾と複雑な機構がぎっしりと詰め込まれた、精緻なワンダーランドといえます。その美しく、個性あふれる世界を一緒に堪能しませんか。「編集長探訪 腕時計編」はメンズファッション編集長が話題の時計ブランドに足を運び、ビジネススタイルに合う腕時計を探る訪問記。ユニークな売り場の映像とともにお届けします。今回のテーマは「ダイバーズウオッチ」です。




仕事で会う男性の手元を見ると、ダイバーズウオッチの装着率が高まっているように感じます。ダイバーズウオッチといえば夏場のマリンスポーツのイメージですが、今では年間を通して愛用している人が多くなりました。スポーツテイストのファッションが人気なうえに、仕事の装いでジャケット&パンツなどカジュアル化が進んでいることが背景にあるようです。

人気に乗じて時計各社は多種多様なモデルを投入しており、かなりスポーティーなタイプからスーツスタイルに合うシックなモデルまで、選択肢がぐんと広がっています。なかでも、こだわりの強い男性の支持を集めているのがパネライです。東京銀座のブティックを訪ねてみました。

「パネライといえばやはり、タフで機能重視のデザインが魅力です」と話すのはセールスアドバイザーの神田えりかさんです。パネライはラインアップのほとんどがダイバーズウオッチといっていいぐらい。「タフな形状」はパネライらしさを象徴する言葉です。分厚く、がっちりとした独特の形状は、ひと目ですぐそれとわかります。

精密機械メーカーとして創業し、暗闇でもくっきりと見える夜光塗料を開発。1930年代にイタリア海軍からの依頼で、その夜光塗料を使った軍事用ダイバーズウオッチを製造したのが腕時計事業のはじまりでした。「もとはダイバーの命を守るための時計。ダイビングに必要な機能を追求して、この形になりました」と神田さんが解説します。

たとえばリューズを覆う大型のリューズガード。パネライの代名詞ともいえるデザインですが、これは「壊れやすい部分であるリューズをがっちりと保護するためのもの」。さらにガードにはロックレバーが取り付けられています。「このレバーによってリューズの密閉度がさらに増し、防水性が高まるのです」。夜光塗料を使った文字盤は、深海に潜った時の命綱になります。細部のデザインはすべて、ダイバー視点に立った機能に由来しているわけです。