
「大至急確認してほしい」と銀行からメールが届き、リンクから開いたウェブサイトにクレジットカード情報を入力した(図1)。もし似たような経験があるなら、すぐにカード会社に連絡してほしい。カードが不正利用されている可能性がある。メールから誘導されたサイトでカード情報や個人情報を入力するのは厳禁だ。

なぜ厳禁なのか。それはフィッシング詐欺の典型的な手口だからだ。詐欺メールで偽サイト(フィッシングサイト)へと誘導し、インチキ画面にカード情報などを入力させて詐取する。この手口による被害が後を絶たない。被害に遭わないためには詐欺の手口を知っておくことが大切だ。手口は日に日に巧妙化しており、正しい知識がないと身を守るのは難しい。
フィッシング詐欺に要注意! 偽サイトは増加の一途
フィッシング(Phishing)とは、偽サイトで被害者を釣り上げることを釣り(Fishing)に例えた造語で、ネット経由でカード情報などを盗み取る手口の総称。詐欺メールのほか、ネットサーフィン中に詐欺サイトへ誘導する手口もある。メールの場合、本文内のリンクをクリックさせて偽サイト(フィッシングサイト)に誘い込む(図2)。偽サイトは本物そっくりに作られており、入力した内容がすべて詐欺師に渡ってしまう。
詐欺サイトの数は増加の一途だ。1月の1カ月間について2019年から21年までの推移を見ると、ほぼ倍々ゲームで増加している(図3)。今後も増え続けることが予想される。

フィッシング詐欺で狙われるのはカード情報とネットサービスのアカウントだ(図4)。カード情報の場合、有効期限なども含めて丸々盗まれると、詐欺師に好き放題使われてしまう。アカウントも同様で、盗まれるとサービスを不正利用されてしまう。また、カードやアカウントが「ダークウェブ」と呼ばれる闇サイトで売買されるケースもある(図5)。こうした闇サイトに出回ったら消去は難しい。


詐欺メールはショッピングサイトや銀行などを装ったものが大半だ(図6)。身近なサービスなら開いてもらえるだろうという詐欺師の魂胆が垣間見える。一度も使ったことがないサービスからのメールなら、まず詐欺を疑おう。
