アウディA4にディーゼル 「最善の移動体」の安心感

2021/5/30
アウディA4アバント40 TDIクワトロSライン(4WD/7AT)
アウディA4アバント40 TDIクワトロSライン(4WD/7AT)
webCG

「アウディA4」シリーズについにディーゼルモデルが登場。アウトバーンでならしたその実力は、日本仕様でも健在か? ワゴンボディーやフルタイム4WDもセットになった、ファン泣かせな「A4アバント40 TDIクワトロ」で、その走りを確かめた。

アウトバーン追い越し車線の最大勢力

「アウディのアバント」と言われて、よくいる昭和のクルマ好きである自分が思い浮かべるのは、1980年代に販売されていた3代目の「100」だ。当時最先端のエアロダイナミクスでもって、ボディーをファストバック調に仕立てられていたワゴンは、それとライトバンとの見境もなかった当時の日本では、その存在が宇宙過ぎて『CAR GRAPHIC』読者くらいしか理解ができなかったのかもしれない。

でも今にして思えば、「ホンダ・アコード エアロデッキ」や「スバル・レガシィ ツーリングワゴン」など、その後に続いたスタイリッシュな和製ワゴンたちに少なからぬ影響を与えたものだったように思う。ちなみにアバント(avant)とは、フランス語で「前に」という意味とのこと。アウディ自身も、ワゴンを相当特別で先鋭的な存在に育てようとしていたことが伝わってくる。

平成はじめに巻き起こったワゴンブームを若かりし頃に経験した昭和のオッさん的には、それゆえ「アウディのアバント」とささやかれればちょっと過剰に反応してしまうわけで、そこに「クワトロ」まで乗っかった日には、期待値がぼうぼうにたき盛るわけだ。

さらにこの個体は、A4としては国内初となるディーゼルユニットを搭載している。今やアウトバーンの追い越し車線の最大勢力は、メルセデス・ベンツでもBMWでもなくアウディだが、その内訳で間違いなく筆頭となるのがTDIのA4アバント クワトロだ。

恐らくは、“アクセル踏み切り”で吹っ飛んでいくその後ろ姿にうっとりしてしまうのも、もはや昭和のオッさんくらいのものだろう。でもアバントなら、「あのアウディがあのまんま、日本でも買える日がついにやってきた」という萌(も)え心も、理想的なファミリーカー選びという体裁にうまいこと隠しておくことができる。

2021年1月に導入された「35 TDI」と「40 TDIクワトロ」。日本仕様の「A4/A4アバント」に設定される初のディーゼルモデルである。
駆動方式については、「35 TDI」はFF、「40 TDI」はフルタイム4WDとの組み合わせとなる。
「35 TDI/40 TDIクワトロ」ともに、標準仕様の「アドバンスト」とスポーティーな「Sライン」の両方が用意される。今回の試乗者は後者だった。
最高出力190PS、最大トルク400N・mを発生する「40 TDI」エンジン。「35 TDI」には12Vのマイルドハイブリッドが組み合わされるが、こちらには備わらない。
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