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韓国のテック×エンタメ戦略 協業で世界標準目指す

特集 最新ヒット&ブレイクの作り方(5)

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日経エンタテインメント!

急速に進んだエンタ界のデジタル化を背景に、ヒットの作り方が大きく様変わりした。新たなスターを次々と生み出す「TikTok」や「オーディション」のトレンドからオンライン化でチャンスが広がる「バーチャルワールド」「カタログ」まで、ブレイク&ヒットの最新事情を探っていく。第5回で取り上げるのはプラットフォーム上の「バーチャルワールド」。着々と"テクノロジー×エンタテインメント"を強化してきた韓国勢は、コロナ禍で"リアル"が崩れるなか、"競争"より"協業"を選び、同業他社との提携も進める。その動きを追った。

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◇  ◇  ◇

2021年に入ってから、韓国では音楽プラットフォームを巡る大きな発表が相次いでいる。

1月27日には、韓国最大手のインターネット検索ポータルサイトNAVERと、BTSが所属する芸能事務所Big Hit Entertainment(以下Big Hit)が業務提携を発表。現在、両社はそれぞれ「V LIVE」(NAVER)、「Weverse」(Big Hitの子会社)という韓国の2大ファンコミュニティー・プラットフォームを運営しており、このツートップが今後歩みを共にすることになるのだ。

翌28日、韓国の大手ゲーム会社NCSOFTがK-POPプラットフォーム「UNIVERSE」をローンチ。海外人気も高いIZ*ONEやMONSTA Xらのアーティストが参加し、ファンとのコミュニケーションの場としての活用が始まった。

さらに2月10日には、ストリーミングプラットフォーム「VenewLive」のもとに、Big HitとYG ENTERTAINMENT(以下、YG)とユニバーサル ミュージック グループ(以下、UMG)が合流するという大きなニュースが飛び込んできた。

かねてより、世界中のファンとつながるために、IT業界とのタッグでオンラインサービスに注力してきた韓国音楽業界だが、ツアーやイベントなどの海外活動ができないコロナ禍で、オンライン上の「バーチャルワールド」は急速に進化した。同時に、近い将来を見据えたシェア争いも激化している。その中で、強いコンテンツやアーティストを持つ事務所同士が、垣根を越えて提携する動きが目立ってきた。

コロナ禍で取引額は25倍に

具体的に何が起きているのか。まずは「V LIVE」と「Weverse」、そしてそれらを運営する2社の提携が目指すところを見ていきたい。

NAVERによる「V LIVE」は、現在、累計利用者数1億人を突破、純利用者だけ見ても月3000万人以上にのぼる巨大なファンコミュニティー・プラットフォームで、うち9割を海外利用者が占める。各アーティストはプラットフォーム内に個別のチャンネルを持っており、現在最も加入者が多いのはBTS(2580万人以上)。次いでBLACKPINK(1200万人以上)、EXO(1100万人以上)が続く。

「V LIVE」のサービスが始まったのは15年のこと。ローンチ時から、グローバルにファンを持つSM Entertainment(以下、SM)やYGのアーティストらが参加し、世界中から利用者を獲得してきた。アーティストの素の姿が伝わるバラエティ要素の強い企画番組やプライベート感のある動画など、ここでしか見られないコンテンツを配信し、視聴者は動画を見ながらコメントやハートを送ってコミュニケーションできる。無料で楽しめるコンテンツも多いが、一部のコンテンツは「V LIVE+」として有料で販売され、新型コロナの流行以降、「V LIVE+」で扱う商品の数は5倍、取引額は25倍に増加したという。

20年3月には「V LIVE」内に、SMがオンライン専用コンサートのブランド「Beyond LIVE」を立ち上げ、Super Mを皮切りに、東方神起やSuper Junior、NCTなど、所属アーティストのオンライン公演を実施。8月にはSMとJYP Entertainment(以下、JYP)が、「Beyond LIVE」を企画・運営する合弁会社を共同で設立。これを機に、JYP所属のTWICEやStrayKidsも「Beyond LIVE」で公演を行っている。

所属アーティストが「V LIVE」にもチャンネルを持つBig Hitだが、19年には独自にファンコミュニティー・プラットフォーム「Weverse」を立ち上げた。参加アーティストはBTSやTOMORROW X TOGETHERら、Big Hit所属のアーティストに加え、同社傘下のPledis所属のSEVENTEEN、SOURCE MUSIC所属のGFRIEND、Big HitとCJ ENMの合弁法人であるBELIFT LABに属するENHYPENらだ。

バーチャルが生む親近感

「Weverse」もアーティスト別にコミュニティーがあり、映像コンテンツやアーティストの投稿が公開されているが、加えて、アーティストからファンのコメントに返信が来ることもあり、そのことが直接的に親近感やロイヤルティを高めている。ファンが好きなアーティストに向けてメッセージや画像を投稿したり、ファン同士がコミュニケーションする機能もあり、「V LIVE」に比べるとSNS的な要素が強い。ファンダムの規模と結束力の強さを武器にするBig Hitらしい、オウンドメディアだ。

有料メンバーシップや物販を扱う「Weverse Shop」も展開しており、20年上半期だけで売り上げは1127億ウォン(約106.7億円)。ツアーがすべて中止になったコロナ禍の数字ではあるが、Big Hit全体の売り上げの約38%を占めている。

今回の2大プラットフォームの業務提携は、具体的にはBig Hitの子会社で、「Weverse」「Weverse Shop」を運営する「beNX」にNAVERが約332億円を投資し、「V LIVE」の事業部をbeNXに譲り渡すことで始まった。NAVERはBig Hitと並ぶbeNXの2大株主となった。今後は、NAVERの持つITインフラとBig Hitの持つコンテンツ力がタッグを組むことでシナジーを生み、よりグローバル市場で圧倒的な立場を作っていくことがミッションだ。NAVER側はこの発表に際し、こうコメントしている。「グローバル市場で影響力を拡大するためには、韓国のプラットフォーム間の競争を超え、シナジーを生み出せるプラットフォーム同士の緊密な強力が必要だ」

"韓国発"が世界標準に!?

併せて注目したいのが、ストリーミングプラットフォーム「VenewLive」だ。20年5月にBig Hitは、Kiswe Mobileと提携し、同月14日にBTSのオンラインコンサート「BANG BANG CON The LIVE」を開催。コンサートを機に、有料ファンクラブ会員数は1万人以上増加し、Kisweは最高同時アクセス数約75万人以上の環境でも、安定したストリーミングが実現できる技術力を見せた。その後、合弁会社「KBYK Live」を設立し、共に「VenewLive」の立ち上げに至った。21年2月の発表で、ここへの投資に名乗りを上げたのが、YGとUMG。YG所属のBLACKPINKは、現在北米で大成功を収めており、YGにとっても、「VenewLive」にとってもWIN-WINの提携だろう。

UMGもまた、「VenewLive」に所属アーティストらを出演させる計画がある。同社の所属アーティストには、レディ・ガガやテイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ、マルーン5など世界トップのアーティストも含まれる。もしかすると、「VenewLive」がK-POPの枠を越えて、一気に世界標準のストリーミング・プラットフォームに成長する可能性もあるかもしれない。

20年11月には、「Weverse」に初の韓国発以外のアーティストとして、アメリカのシンガーソングライター、グレイシー・エイブラムス(映画『スター・ウォーズ』シリーズで知られるJ・Jエイブラムス監督の娘)がファンコミュニティーをオープン。次いで、ニュー・ホープ・クラブやアレクサンダー23らも開設している。今後はさらに多くのアメリカのアーティストが「Weverse」に参加し、「VenewLive」と「Weverse」の両輪で活躍する可能性も考えられそうだ。

ゲーム業界も新規参入

韓国のオンラインゲームの大手メーカー、NCSOFTがリリースした新たなプラットフォーム「UNIVERSE」は134カ国でリリース。IZ*ONEやMonsta X、カン・ダニエル、AB6IX、CIXらが参加し、昨年11月から始まった事前登録時点で世界中から約400万人を集めた。2月14日に開催された無料オンラインコンサート「UNI-KON」にもIZ*ONEやMONSTA Xら14組が参加し、164の国と地域から約260万人が視聴している。

「UNIVERSE」は、動画配信やラジオ、オンライン写真集などのコンテンツや、アーティストとファンのコミュニケーション機能に加えて、テクノロジーを使ったゲーム的要素のあるコンテンツが特徴で、既存のプラットフォームとはまた違う方向性を持っている。例えば、アーティストをスキャンして作られた3Dキャラクターをスタイリングしたり、そのキャラクターを使用してMVなどが製作できるコンテンツなどがある。さらには、アーティスト自身の声を使って開発したAIボイスをベースにした音声通話が受信できる「プライベートコール&メッセージ」機能もユニークだ。ローンチしたばかりで、日本語表現やアプリ自体の使いやすさはこれからの部分も多いが、今後、ゲーム的な見せ方をどう発展させるのかに期待したい。

正式ローンチ前の同月5日に、NCSOFTは、21年中にCJ ENMとの合弁会社を設立することを発表。新しいアーティストを発掘するための番組を制作し、UNIVERSEのサービス内と、CJ ENM側で放送予定だとしている。その内容はCJ ENMが得意とするサバイバルオーディションなのか……詳細は、まだ明らかになっていない。

目まぐるしく動く韓国音楽業界だが、果たして「バーチャルワールド」の覇者は誰になるのか。その行く末が楽しみだ。

(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント! 2021年4月号の記事を再構成]※情報は掲載時点のものです

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