NIKKEIプラス1

健康酒は幅広く、果実酒や野菜酒といったジャンルもある。野菜ソムリエの福光佳奈子さんは会社員だった2005年、梅酒好きが高じて自宅で手づくりを始めた。果実を使った酒を複数造るうち、鮮度や品種で味や栄養価が変わる面白さに目覚め、専門家として活動するようになった。

「何を漬けても良いんです」と笑う福光さんがこれまでに開発した酒は300種類。さくらんぼやバナナなどの果物、トマトやニンジン、ゴーヤーなどの野菜、花やココアのほか、かつお節やニンニクも漬ける。酒を飲まない人も料理酒として使えば風味やコクが良くなり、引き上げた実はジャムや炒め物、入浴剤にも使える。福光さんは「手づくり酒でおうち時間を楽しみながら、健康に過ごしてほしい」と呼びかける。

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市販の健康酒も多様に

市販の健康酒も多様だ。看板商品の養命酒を医薬品として製造・販売してきた国内薬用酒メーカーの最大手「養命酒製造」は2010年から酒類の商品製造を始めた。養命酒を造る合醸法と呼ぶ伝統の手法を用い、ハーブやショウガなどを抽出したリキュールやジンなど計15種類以上を販売する。

同社商品企画開発グループの加藤参さんによると、市販品の場合は一般では入手しにくい材料を複数組み合わせたり、素材のエキスを浸漬(しんし)させるための特別な技術で味や香りを引き出したりしているため、自家製とは違った味が出るという。「ハーブの香りはリラックス効果が期待できる。お酒を通じて自身をいたわるひとときを楽しんでほしい」と話す。

(松浦奈美)

[NIKKEIプラス1 2021年5月1日付]