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ワコールのAI接客 育休で着想した女性リーダーに聞く

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「3Dボディスキャナー」と人工知能(AI)を活用したワコールの接客サービス「3D smart & try」。ワコール イノベーション戦略室 開発部長・シニアフェローの篠塚厚子さんは、同サービスのプロジェクトリーダーとして接客サービスのデジタル化を進める重要な役割を担っています。2020年5月には、AI技術を活用する女性リーダーを表彰する「Women Leaders in AI」(IBM主催)にも選出された篠塚さん。チーム力を上げるために心掛けていることや、数々のキャリアの壁を乗り越え新プロジェクトが軌道に乗るまでの道のりを聞きました。

体のデータに理想値はいらない

ワコールに入社してから現在17年目。「3D smart & try」プロジェクトのリーダー、そして全社のデジタルを活用したイノベーション戦略を担当しています。「3D smart & try」は、3DボディスキャナーとAIを活用した接客サービスです。お客様が一人で、3Dボディスキャナーの音声ガイダンスに従い、全身18カ所を約5秒(※専用下着に着替える時間は除く)で計測した後、採寸データを基に、販売員や接客AIがお客様に合ったインナーウエアを提案します。また、アバターを通じて販売員がカウンセリングするサービス「パルレ」も展開しています。

「3D smart & try」プロジェクトでもっとも重視したのは、お客様に、他人を気にせず、自分を中心に考えながらインナーウエアを選んでいただくこと。一人ひとりの個性や幸せを大切にしてもらいたいという思いから、あえて理想値や平均値の設定はしていません。

プロジェクトの実現には技術面での乗り越えるべき課題が多く、例えば採寸データ一つとっても、計測場所を何カ所にするかなど、「どうあるべきか」の判断を求められることの繰り返し。当初の設計をやり通すのか、総合的に判断して折り合いをつけるのか……ハードルは、常に自分自身にありました。「3D smart & try」を一緒に開発した取引先やプロジェクトメンバーたちと何度も話し合った上で現在の形になりましたが、これが完成形ではありません。より良い形を目指して、試行錯誤を重ねています。

デジタル化に関心を持ったきっかけ

「3D smart & try」のプロジェクトに取り組む前に、デジタルの分野は未経験。接客のデジタル活用に関心を持ったきっかけは、女性向け下着通販などを展開するピーチ・ジョンでの新しい出会いでした。

ピーチ・ジョンに若年層向けのブランドマネージャーとして出向したのは30代前半のとき。当時のスタッフは大半が20代前半でトレンドに対する感度が高く、2017年に「インスタ映え」が流行語大賞になる前から、スマホやインスタを使いこなし、マーケティングに活用していました。

そのころの私はどちらかというと、自分で考えたプランを自らが率先して動いていくタイプ。しかし、若手メンバーの発想に感動し、メンバーの意見を反映しながらデジタルを活用した新しい取り組みに挑戦したところ、SNSマーケティングに大きな手応えを感じました。「誰かとチームを組んで仕事をするのは、発見があって面白い」と、チームビルディングへの意識が変わりました。

5年前に出産と産休・育児休業を経験したことも、「3D smart & try」のインスピレーションの一つになりました。私は入社してから子どもを産むまでの10年間、キャリアの道を走り続けてきました。でも、育休中にふと立ち止まって世の中を見渡してみると、デジタル化が進んだことによって、生活が本当に便利になったことを実感したんです。これから仕事と子育てを両立するためには、デジタルの利点を上手に活用することで道は開けるのではないかと感じました。仕事に復帰した後にも、組織の中で存在感を示せるようなスキルを身に付けたいと思い、本を読むなどして勉強しました。

「AかBで悩んだら、Cを探す」

育休明けの仕事復帰先では、慣れている業務を希望するか、子育てを重視して事務作業中心の業務を希望するか、育児と仕事の両立が初めてという状況もあり、悩みました。結果的には業務に慣れてもいないし、ハードワークになる可能性の高い、当時できたばかりのオムニチャネル戦略推進部で新規事業に携わりたいと希望を出したんです。

なぜ第三の選択肢に進んだかというと、大学時代、アメフト部のマネジャーをしていたときに監督から言われた、「AかBで悩んだら、Cの答えを探す」という考え方を持っていたから。「悩むということは、どちらも違う」と思い、どちらでもない道に進む決断をしました。

人気の化粧品売り場を徹底リサーチ

育休からの復帰当時、オムニチャネル戦略推進部は全員が京都本社のメンバーで、東京勤務は私だけ。お客様一人ひとりと深く、広く、長くつながるためのインフラをつくることを目標に、リアルな店舗のあり方を刷新するためのアイデアが求められていました。

子育てによる時間制約があり、日常のコミュニケーションはテレワークが中心。そんな私が「今の自分にできることから」と取り組んだのがマーケティング・リポートの作成です。さまざまなブランドの下着売り場を30カ所以上まわって接客してもらい、その他、下着に限らず伸びている業界や売り場の特徴を探りました。大きなヒントを得たのが、百貨店の化粧品売り場です。デジタル技術を活用した肌診断データを活用することで、一人ひとりに合った提案ができ、顧客の心をつかんでいる。インナーウエアでも同じようなことができるのではと思い立ちました。

人に見られずサイズを測り、下着を選べるAI接客やアバター店員は、育休中に知り合ったママ友の意見も参考にしています。産後の体形で、「キレイな店員さんがいる下着売り場に行くのは抵抗がある」「計測で誰かに体を見られることに抵抗がある」という声を聞いて、共感しました。仕事以外の交友関係が広がる産休・育休期間は、生活者視点に立ち返るいい機会になりました。

チームづくりは尊敬できるメンバーをスカウト

リサーチ結果を基に、「3D smart & try」プロジェクトの企画を上司に提案すると、すぐに経営会議にかけようと言っていただけて、プロジェクト化されました。とはいえ、私は育休明けから間もなく、周りに頼らなければ実現できない状況。いいメンバーに助けてもらうことができれば、プロジェクトはきっと成功すると思いました。

そこで、プロジェクトメンバーは全社を横断する形で、それぞれの専門性をもつ企画や販売、人間科学研究所など、これまでのキャリアで接点があり、信頼できる部門に参加をお願いしたんです。また、実行フェーズでは、公募という形で自ら手を挙げてきてくれる人を募ることでチームを強化しました。一緒にチームを組みたいのは、自分にないものを持っていて弱みを補ってくれる人。尊敬できる人であること、そして「この人となら今までにないものをつくれそう」という直感も大事にしています。

私が、現在の部門メンバーや プロジェクトなどのチームづくりをするときは、一緒に働きたいと思う人に、「あなたは○○の理由で、このプロジェクトに必要な人材だ」と直接口説くことが多いです。目指すゴールとその人の強み、私が必要としているスキルを具体的に伝えるためです。メンバー全員が自分はチームに必要な人材だと自覚し、その人の得意分野で活躍してもらい、適性の高い仕事をしてもらうことにも心を配っています。

篠塚厚子
ワコール イノベーション戦略室 開発部長/シニアフェロー。京都大学卒。2005年ワコールに入社。百貨店営業などを経験後、ものづくり部門にて他社ODM事業やマーチャンダイザーを担当。国際部門では、海外のEC事業支援や事業再編、M&Aに携わり、その後子会社にてブランドマネージャーや下着以外のMDを担当する。2017年、総合企画室オムニチャネル戦略推進部に異動。2019年4月に3D smart & tryサービスを立ち上げ、翌年、IBM「Women Leaders in AI」の一人に選ばれる。2021年4月から現職、ワコールでのフェロー職第1号となる。

(文 川辺美希、取材・構成 加藤京子=日経xwoman doors、写真 鈴木愛子)

[日経xwoman 2021年4月20日付の掲載記事を基に再構成]

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