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焼く、スープ炊き… 個性派シューマイがつまみの3店

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NIKKEI STYLE

今、「シューマイをつまみに酒を飲む」スタイルのシューマイ酒場が注目を集めている。全国にさまざまな専門店があるギョーザに対し、シューマイは家庭の食卓に並ぶ機会は少なくないものの、外食においては「中華料理店のメニューの一つ」程度の印象で、これまではどちらかといえば脇役の立ち位置だった。しかし、近ごろでは店名に「焼売」の文字を入れ、店の一番の売りにシューマイを据える店が都内を中心に増え始めている。

シューマイといえば、薄く伸ばした皮に肉や野菜が入ったあんを入れて包み、せいろなどで蒸し上げるのが基本。蒸し料理のため脂っこさがない点や、ニンニク・ニラ不使用のものが多く、食後の口臭を気にせず食べられるといった点から女性も食べやすいというのが、シューマイ酒場の人気を後押ししているようだ。しかも最近では、定番の蒸しシューマイだけでなく、焼いたり、スープ炊きにしたり、味付けやタレを複数用意したりと、アレンジの幅が広いのも魅力だ。

2015年に東京・駒込に1号店をオープンし、現在東京2店、埼玉1店、神奈川1店を展開する「野田焼売店」のコンセプトは「ビールと焼売」。19年オープンの紀尾井町本店は、シューマイをはじめマーボー豆腐や担々麺など酒に合う町中華メニューをそろえ、テークアウトにも対応。看板商品であるシューマイは多いときで一日1000個近く売り上げる日もあるという。

同店を運営するクサマ(東京・中野)は、飲食店向けの食品卸事業が主力。外食事業で出店する際は卸先と競合にならないジャンルに配慮する必要があり、専門店の少ないシューマイに注目したという。同社ブランドディレクターの石毛徹也さんがメニューを開発。シューマイ作りはあんを練るところから手作業で、すべて店ごとに行っている。

同店のシューマイは、さまざまな調理法と自家製のたれを自由に組み合わせられるのが特徴だ。シンプルに蒸しあげた「焼売」をベースに、両面をカリカリに焼いた「焼焼売」、平たく伸ばして油で揚げた「揚焼売」、チーズとバジルを入れてイタリアン風の味付けにした「チーズ焼売」など、全6種のシューマイを提供。石毛さんは「あんは国産の豚肉9割、タマネギ1割の割合。かなり肉感たっぷりで満足感があります」と話す。

ひと口ほおばると肉のジューシーなうま味がダイレクトに味わえ、そのままでも十分おいしい。さらにシューマイを注文すると「からし」「四川麻辣(しせんまーらー)たれ」「パクチーたれ」など9種類のたれの中から2種類を選ぶことができるので、自分好みの組み合わせを見つける楽しさもある。

紀尾井町本店は近隣の企業に勤めるビジネスパーソンが主に利用。女性でも入りやすいようモダンチャイニーズを意識した店舗にしたというが、今年4月に神奈川県の武蔵小杉にオープンした新店ではアッパー層を意識した店づくり、メニュー作りをしているという。石毛さんは「出店エリアに合わせた店舗展開をしながら、『シューマイも主役になれる』ということを今後も発信していきたいです」と話す。

JR新橋駅徒歩3分の場所にある「Tokyo焼売マニア」は、独創的なシューマイの数々が味わえる注目店だ。店主の中橋薫樹さんは、これまで香港料理や台湾料理などアジア料理を中心に飲食事業に携わり、20年2月にTokyo焼売マニアをオープンした。もともとシューマイが好きだったという中橋さんは、シューマイを専門に扱う飲食店がほとんどないことを「もったいない、潜在的需要はあるはずだ」と感じ、出店に踏み切ったという。

メニューはすべて中橋さんのオリジナル。黒豚にシイタケを戻し汁ごと混ぜて蒸し上げた「マニアな焼売」(2個330円)をはじめ、赤・青のサンショウを入れたしびれる辛さが特徴の「しびれ焼売」(2個385円)、エビとタラのすり身に錦糸卵をまとわせた「錦糸焼売」(2個385円)など、蒸しシューマイだけでも6種類以上ある。そのほかに、焼きシューマイや揚げシューマイなどを併せて15種類前後のシューマイを提供している。

月替わりで新作を出すなどメニュー開発も精力的に行っており、これまで作ったオリジナルシューマイは30種類近くに及ぶ。メニューを作るに当たっては「人がまねしない、誰も思いつかないようなシューマイを目指している」(中橋さん)といい、これまで、ナポリタンの具材を詰め込んだ「ナポリタン焼売」、カキを丸ごと1個のせた「めっちゃ牡蠣焼売」など、ユニークなメニューを生み出してきた。

店構えは、町中華のような雰囲気では女性が入りづらいだろうと考え、気軽に入れる「焼売アジアンバル」のスタイルをとった。狙い通り、日によっては席のほとんどが女性で埋まることもある。テレビやSNS(交流サイト)などで見て来店する人や、インターネットで「新橋 点心」と検索して訪れる人が多いという。

「シューマイの魅力は自由度が高いところ。上に具をのせてもいいし、皮を変えてもいいし、いろんな楽しみ方ができる。せいろが目の前に運ばれてきて、蓋を開けるまで何が入っているかわからない臨場感・ワクワク感もシューマイならではですね」(中橋さん)。今後もイメージにとらわれない、オリジナリティーのあるシューマイを作っていきたいと中橋さんは意気込んでいる。

ワンコインピザの「CONA」や、ラーメン店「らぁ麺 はやし田」などを手掛けるイングス(東京・新宿)が初の居酒屋業態として始めたのが、シューマイをメインメニューに据えた「焼売のジョー」だ。20年6月、川崎市に1号店をオープンし、東京では町田、多摩センター、立川、埼玉では大宮に計5店舗を展開している。

同社アルコール事業部エリアマネージャーの井上聖さんは「居酒屋業態を始める際、キラーメニューがなければ競合に勝てないと考え、専門店の少ないシューマイに注目しました」と話す。サイドメニューのイメージが強いシューマイを主役にしたいと考え、「餃子の次は焼売だ」をテーマに掲げ、3種類のシューマイメニューを開発。店ごとにスタッフが一つひとつ手作業で包んで調理しているという。

「名物 焼売」(1個108円、注文は2個から)は、鶏と豚をバランスよく合いびきにした肉とタマネギのみのシンプルなあんを包んで蒸したシューマイ。いくつでも食べられるような軽い食感だ。卓上の酢じょうゆやカラシをつけたり、レモングラスの香りがする台湾の香辛料・マーガオをかけたりして食べる。

「名物 揚げ焼売」(1個198円、注文は2個から)は、あんを春巻きの皮で包んで揚げ、パリパリ・サクサクとした食感が味わえる一品。通常はラーメンに使われる鶏白湯スープでシューマイを炊き込んだ「名物 炊き焼売 ~濃厚鶏白湯スープ~」(焼売3個入り、638円)は、熱々で特に寒い季節に人気だ。

「大衆居酒屋をイメージしていますが、あえて店名に『酒場』と入れないことで間口を広げています」(井上さん)といい、客層も20~50代までと幅広い。町田店や大宮店の店先にはテークアウト専用のカウンターを設けており、「名物 焼売」が6個(480円)から持ち帰り可能。昼食や晩酌のつまみとして購入していく人も多いそうだ。

今回取材した大宮店は20年12月オープンした。オープン直後は2フロア全75席が連日ほぼ満席になるほどの盛況ぶりだったという。2度目の緊急事態宣言により一旦客足は落ち着いたものの、「『焼売のジョー』の業態自体には手ごたえを感じており、現在は直営店のみですが、今後は全国に向けてライセンス契約店の展開も広げていく予定です」(井上さん)と話す。

シューマイ酒場という新たなトレンドが生まれつつあるのは、人が集まる機会が減り、大きなダメージを受けている外食業界にとっては一つの明るいニュースかもしれない。テークアウトやデリバリーもうまく活用しながら、ビールやハイボールを片手に楽しみたい。

(フードライター 古滝直実)

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