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焼く、スープ炊き… 個性派シューマイがつまみの3店

トウガラシを垂直に刺した「辛焼売」(写真手前)など、野田焼売店では6種類のシューマイを2個(264~308円)から注文可能
トウガラシを垂直に刺した「辛焼売」(写真手前)など、野田焼売店では6種類のシューマイを2個(264~308円)から注文可能

今、「シューマイをつまみに酒を飲む」スタイルのシューマイ酒場が注目を集めている。全国にさまざまな専門店があるギョーザに対し、シューマイは家庭の食卓に並ぶ機会は少なくないものの、外食においては「中華料理店のメニューの一つ」程度の印象で、これまではどちらかといえば脇役の立ち位置だった。しかし、近ごろでは店名に「焼売」の文字を入れ、店の一番の売りにシューマイを据える店が都内を中心に増え始めている。

シューマイといえば、薄く伸ばした皮に肉や野菜が入ったあんを入れて包み、せいろなどで蒸し上げるのが基本。蒸し料理のため脂っこさがない点や、ニンニク・ニラ不使用のものが多く、食後の口臭を気にせず食べられるといった点から女性も食べやすいというのが、シューマイ酒場の人気を後押ししているようだ。しかも最近では、定番の蒸しシューマイだけでなく、焼いたり、スープ炊きにしたり、味付けやタレを複数用意したりと、アレンジの幅が広いのも魅力だ。

2015年に東京・駒込に1号店をオープンし、現在東京2店、埼玉1店、神奈川1店を展開する「野田焼売店」のコンセプトは「ビールと焼売」。19年オープンの紀尾井町本店は、シューマイをはじめマーボー豆腐や担々麺など酒に合う町中華メニューをそろえ、テークアウトにも対応。看板商品であるシューマイは多いときで一日1000個近く売り上げる日もあるという。

野田焼売店紀尾井町本店の店内。ランプシェードにはせいろを使用(左)。スタッフのTシャツは「ビールと焼売」のメッセージ入り

同店を運営するクサマ(東京・中野)は、飲食店向けの食品卸事業が主力。外食事業で出店する際は卸先と競合にならないジャンルに配慮する必要があり、専門店の少ないシューマイに注目したという。同社ブランドディレクターの石毛徹也さんがメニューを開発。シューマイ作りはあんを練るところから手作業で、すべて店ごとに行っている。

同店のシューマイは、さまざまな調理法と自家製のたれを自由に組み合わせられるのが特徴だ。シンプルに蒸しあげた「焼売」をベースに、両面をカリカリに焼いた「焼焼売」、平たく伸ばして油で揚げた「揚焼売」、チーズとバジルを入れてイタリアン風の味付けにした「チーズ焼売」など、全6種のシューマイを提供。石毛さんは「あんは国産の豚肉9割、タマネギ1割の割合。かなり肉感たっぷりで満足感があります」と話す。

味変を楽しめる9種類のたれ。一番人気は定番の「からし」(中段左)だ

ひと口ほおばると肉のジューシーなうま味がダイレクトに味わえ、そのままでも十分おいしい。さらにシューマイを注文すると「からし」「四川麻辣(しせんまーらー)たれ」「パクチーたれ」など9種類のたれの中から2種類を選ぶことができるので、自分好みの組み合わせを見つける楽しさもある。

紀尾井町本店は近隣の企業に勤めるビジネスパーソンが主に利用。女性でも入りやすいようモダンチャイニーズを意識した店舗にしたというが、今年4月に神奈川県の武蔵小杉にオープンした新店ではアッパー層を意識した店づくり、メニュー作りをしているという。石毛さんは「出店エリアに合わせた店舗展開をしながら、『シューマイも主役になれる』ということを今後も発信していきたいです」と話す。

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