Men's Fashion

新時代の社長に似合う名門ブランド時計 男女8選

時計

Watch Special 2021 (1)

2021.5.7

企業の社長や最高経営責任者(CEO)の腕には、シンプルでなるべく控えめなデザインのドレス時計がいいという考え方もある。たしかに誠実な人柄に見せたいならそれが正解だ。ただ、今の時代のリーダーは、装いと同じく、時計も自らをアピールするアイテムとして戦略的に活用すべきだ。もちろんそこには企業の顔にふさわしい「品」や「格」は必要。となれば長い歴史を有する名門ブランドが手掛けるものがベターだ。新時代の企業トップにおすすめのモデルをメンズとレディースで1本ずつ新作を中心に選出し、2回にわたって8ブランド16モデルを紹介する。今回はパテック フィリップ、A.ランゲ&ゾーネ、ロレックス、グランドセイコーから選んだ。(次回の記事は「社長にふさわしい華ある時計 視線奪う個性 男女8選」




時計業界の至宝「パテック フィリップ」

1839年の創業以来、技術的にもデザイン的にも機械式時計に数々の革新をもたらしてきたパテック フィリップ。誰もが知る最高峰の時計であり、並のビジネスマンの場合、時計のオーラに負けるという事も起こりうるだろう。

やはりここの時計はある程度のステータスを確立した者でなければ似合わないのかもしれない。そういう意味ではまさにCEOの時計。シンプルな3針であっても、遠目にパテックとわかる独特の華やぎがあり、業界の集まりでの登壇や、セミナーで講演する機会も多いトップエグゼクティブには、センスの良さを知らしめるツールになるはずだ。

〈男性〉伝統のクルー・ド・パリ・ベゼルが復活

パテック フィリップ 「カラトラバ《クルー・ド・パリ》6119R」

カラトラバ《クルー・ド・パリ》6119R ケース:39mm、18Kローズゴールド製、シースルーバック、3気圧防水 駆動装置:機械式手巻き、パワーリザーブ約 65時間 価格:339万9000円

パテック フィリップの2021年の目玉のひとつが、やはりカラトラバの新作だろう。時計好きの終着駅とも言えるカラトラバの誕生は1932年。その研ぎ澄まされたデザインはバウハウス哲学を体現したもので、以後すべてのラウンド型ドレス時計の規範となった傑作コレクションだ。

じつはカラトラバには大きく2系統のケースデザインがある。ひとつは初代「96モデル」のデザインを継承するもので、ベゼルがフラットで、ラグが曲線を描くデザイン。もうひとつはベゼルにクルー・ド・パリと呼ばれるギョーシェ装飾を施し、ラグが直線的なデザインのものだ。このうちクルー・ド・パリ装飾のカラトラバは近年のコレクションから姿を消していたが、ついにご覧の「6119」コレクションでよみがえったのだ。

とはいえ往年のモデルの単純な復刻ではない。ラグは直線ではなく、96系のようななだらかなカーブを描いており、ケース径もかつてのクルー・ド・パリ装飾のカラトラバ「3919」や「5119」より僅かに大きい。そのせいかよりエレガントでモダンなおもむきを増している。ちなみに搭載するムーブメントはこのケースに合わせて新開発された手巻きキャリバー30-255PSだ。

ダイヤモンド研磨により形成される微細なピラミッド型の装飾は、ラグジュアリー感を高めるとともに、時計全体にどこか力強い雰囲気を与える。威厳あるダブルのスーツに合わせるには絶好の1本だ。

〈女性〉人気のトゥエンティーフォーにトレンドのグリーン文字盤が登場

パテック フィリップ 「トゥエンティフォー オートマティック 7300/1200A」

トゥエンティフォー オートマティック 7300/1200A ケース:36mm、ステンレススチール製、シースルーバック、3気圧防水 駆動装置:機械式自動巻き、パワーリザーブ約 45時間 価格:320万1000円

女性の企業トップに紹介したいパテック フィリップが、1999年にデビューした「トゥエンティーフォー」だ。当初はクオーツ搭載の角型モデルのみの展開だったが、2018年にラウンドケースの自動巻き「トゥエンティフォー オートマティック」を追加。より本格的な時計を好む女性たちに人気を博してきた。

2021年はその「トゥエンティフォー オートマティック」に新色が登場。グリーンは最近の時計のトレンドカラーだが、あまり明るめの色調だと服装との合わせ方に悩む。その点、こちらはシックで落ち着いたオリーブグリーン。それでいてベゼルには計160個のダイヤモンドを2列に配し、文字盤のサンレイ装飾とともに、リッチで華やいだムードもたたえる。カチッとしたスーツスタイルからくつろいだオフィスカジュアル、さらにイブニングドレスまで、手元に新鮮な彩りを与える時計として活躍するはずだ。