地方企業が大都市圏人材を呼び込む動き

そもそも、地方企業が大都市圏の人材を活用しようとする動きは、5年ほど前から顕著になりました。内閣府は2016年、地方創生の取り組みの一環として「プロフェッショナル人材戦略事業」を本格的にスタート。その事業目的は、次のように定義されています。

「地域の中堅・中小企業に対して『攻めの経営』への転身を促し、個々の企業の成長及び地域経済の活性化の実現を目指す」

この目標を掲げ、各道府県に「プロフェッショナル人材戦略拠点」を設置。そして、「攻めの経営」に乗り出そうとする地域企業と、それを実践するプロフェッショナル人材(大都市圏にいる、事業企画や経営の経験が豊富な人材)のマッチングを、私たちのような民間の人材ビジネス事業者が担ってきました。

この取り組みにおいては、当初は大都市圏の人材を「正社員」として採用することを目指していました。しかし、「転職+地方移住」となると、やはりハードルが高く、採用が進まなかったのです。そこで、「業務委託」「副業」の人材にまでターゲットを拡大。すると、地方企業と大都市圏の人材の対流が活発化し始めました。

この動きを後押しするように、人材を求める地方企業と副業先を探す人材のマッチングを図るサービスも充実していきました。一例を挙げると、「みらいワークス」「サーキュレーション」「エッセンス」といった企業がマッチングサービスを提供しています。

もちろん、この施策に対する熱量は、地域によって大きく異なります。行政・プロフェッショナル人材戦略拠点・民間人材事業者、この3者がうまく連携できている地域では、ふるさと副業を積極的に増やしています。

また、地場の金融機関も、顧客である地場企業の成長を支援するため、人材マッチング事業に意欲的に関わっています。地方銀行の中には人材紹介業の免許を取得し、人材紹介業に参入する銀行も見られます。2018年3月、金融庁の規制緩和により銀行の人材紹介事業参入が認められ、すでに全国の地銀30行以上が動き出しています。

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コロナ禍以降、地方で人材ニーズの幅が拡大