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サブスク時代のヒット曲作り 前あおりよりデータ分析

特集 最新ヒット&ブレイクの作り方(6)

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日経エンタテインメント!

急速に進んだエンタ界のデジタル化を背景に、ヒットの作り方が大きく様変わりした。新たなスターを次々と生み出す「TikTok」や「オーディション」のトレンドからオンライン化でチャンスが広がる「バーチャルワールド」「カタログ」まで、ブレイク&ヒットの最新事情を探っていく。最終回は「カタログ発ヒット」。カタログとは、過去に発表された楽曲のこと。このカタログが、デジタル化が進んだ世界では「宝の山」になる可能性を持っている。

<<最新ヒット&ブレイクの作り方(5)「韓国のテック×エンタメ戦略 協業で世界標準目指す」

◇  ◇  ◇

40年前に発売された日本の楽曲が世界的にヒットしていることが昨年末、話題になった。1979年発売の松原みき『真夜中のドア/Stay With Me』の再生数が、世界中で急上昇したのだ。その人気は、世界で3億2000万人以上のユーザーが利用するSpotifyのグローバルバイラルチャートで15日連続1位を獲得するほどだった。[※バイラルチャートは、Spotify上から様々なSNSでシェア・再生された回数などのデータを元に、「いまSNSで最も話題になっている曲」をSpotifyが独自に指標化したもの]

新曲が話題になることが多かった音楽シーンだが、今、過去の楽曲である「カタログ」発のヒットに注目が集まっている。

「『真夜中のドア』がヒットする素地はあった」と言うのは発売元のポニーキャニオンデジタル戦略担当エグゼクティヴ・プロデューサーの今井一成氏。「近年、海外のクラブDJたちが日本のシティポップを積極的に流していた。その動きがネットにも広がってきています」

松原みき『真夜中のドア/Stay With Me』
1979年11月にリリースしたデビューシングル。海外を中心に、サブスクリプションサービスSpotifyでは直近1年間で460万回、Apple Musicでは100万回以上再生された。20年12月にはSpotifyのグローバルバイラルチャート(※)で1位に。Apple Music J-Popランキングにおいても12カ国で1位を獲得している。作曲と編曲は林哲司。作詞は三浦徳子。

2017年、竹内まりやの1984年の楽曲『Plastic Love』がYouTubeで一気にブレイクし、話題になった。きっかけになった動画は個人が上げたものだといわれている。今井氏によると『真夜中のドア』も"ユーザー発"のヒットだという。「海外のインフルエンサーが椅子に乗ってくるくる回る動画をTikTokに上げたとき、『真夜中のドア』を使用したんです。さらにRainych(レイニッチ)というインドネシアのYouTuberがカバー動画を上げたことも、大きな要因になりました。これらがネットで話題になると、『真夜中のドア』の再生数も大きく伸びていったのです」(今井氏、以下同)

この動きを加速させたのが、サブスクリプション(以下、サブスク)型のストリーミングサービスだ。同じデジタルでもダウンロード型ではお金を払わなくてはいけないが、サブスク型のストリーミングならリスナーに追加の費用は発生しない。

一方で楽曲を提供する側にとってもサブスク型のストリーミングで聴かれることは重要になる。

「再生単価は1円以下なので、CDを売るよりは効率が悪く見えるかもしれませんが、CDは初動で大きく売れても翌月には枚数が一気に下がることも多い。一方でストリーミングの再生数は徐々に積み上がっていく。新曲の場合、6~8カ月で売り上げが逆転する場合が多いのです。いうならストリーミングは"我慢のビジネス"。長期的な視野で見ていく収益モデルなんです」

ウェブマーケティングの世界でいう"ロングテール"。長期にわたり多くの商品が売れることで、短期的な1つの大ヒットより収益を上げるモデルだが、カタログはまさにロングテールのコンテンツといえるだろう。『真夜中のドア』はそこから世界的なヒットが生まれることを示したわけだ。

ヒットの震源地をすばやく見つけ大きな波に

CD全盛時は新曲の発売日に合わせて、大きなプロモーションをかけることで大ヒットを生み出そうとした。しかし、ユーザー発のヒットが多いサブスク時代は「前あおり」より、発売後のデータ分析が重要になる。ユーザー発のヒットは、世界のどこかで突然、発生するからだ。

「我々レコード会社は日々データ分析を行い、ヒットの震源地をすばやく見つけ、そこを救い上げ、より大きな波にしていくことが重要になります。『真夜中のドア』もデータ分析ツールでSpotifyの海外再生数の急増を見つけ、プロモーションを行っていきました」

ポニーキャニオンは現在、海外のプロモーションにYouTubeとTikTokを利用しているという。「最低限この2つのプラットフォームがあれば、音楽を世界共通の言語として仕掛けていくことができます」と今井氏。さらにTwitterやFacebookなどのSNSを使い、話題を最大化させていくという。「ヒットの芽を逃さないようにするため、データ分析のスペシャリストを登用するなど、デジタル戦略チームの強化が重要になります」

もう1つカタログヒットで欠かせないのが、過去に発売した音源をストリーミングのカタログとしてそろえることだ。

「『真夜中のドア』のように、いつどこでどんな曲のヒットの芽が生まれるかは誰にも分からない。だからこそカタログを充実させることが重要になります。見方を変えれば、レコード会社が所有する数々の音源は、ストリーミング時代において『宝の山』なのです」

尾崎亜美『純情』
こちらは今井氏が注目タイトルとして選んだ1曲。1981年発表の『Air Kiss』(写真)に収録。「Spotify、Apple Musicなどで世界的に再生されています。アルバムは竹内まりや『Miss M』とともに後のシティポップに大きな影響を与えた作品だと思います」
今井一成
1986年に日本ビクターに入社、2017年6月にビクターエンタテインメント取締役。20年4月にポニーキャニオンに移籍し、エグゼクティヴ・プロデューサー デジタル戦略担当に就任。(写真:志田彩香)

<<最新ヒット&ブレイクの作り方(5)「韓国のテック×エンタメ戦略 協業で世界標準目指す」

(ライター 中山洋平)

[日経エンタテインメント! 2021年4月号の記事を再構成]

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