増える「がんサバイバー」 2度目の発症リスクに注意

日経Gooday

がんサバイバーが増えるにつれて、新たに別のがんを発症する人も増えてきました。(C)archnoi1-123RF
がんサバイバーが増えるにつれて、新たに別のがんを発症する人も増えてきました。(C)archnoi1-123RF
日経Gooday(グッデイ)

成人後にがんを発症し、治療を受けたがんサバイバー(がんを体験した人)は、その後新たに別のがんを発症するリスクや、それによって死亡するリスクが、一般人に比べて高いことが米国の研究で明らかになりました。

がんサバイバーは、新たながんの発症リスクが1割程度高い

がんの治療が進歩するにつれて、先進国では成人のがんサバイバーが増えています。また、最初のがんが治癒してからの年数が長くなるにつれて、全く別の原発がん(転移ではなく、新たに発生したがん)を発症する人の数も増加しています。

そこで米がん協会などの研究者たちは、米国のがん登録を利用して、がんサバイバーの第2の原発がんの発症と、これによる死亡のリスクについて総合的に分析しました。

対象にしたのは、1992年から2011年までの期間に最初の原発がんと診断され、それから5年以上生存していた20~84歳のがんサバイバー153万7101人(平均年齢60.4歳、48.8%が女性)です。これらの人たちを平均7.3年(1119万7890人-年)追跡したところ、15万6442人が第2の原発がんを発症し、8万8818人がその原発がんによって死亡していました。

著者らは、がんサバイバーの第2の原発がんの発症リスク/死亡リスクを、同じタイプのがんを一般の人が最初の原発がんとして発症するリスク/そのがんによって死亡するリスクと比べました。算出したのは、「標準化罹患比」と「標準化死亡比」です。

標準化罹患比は、がんサバイバーの発症リスクが一般の人々と同じだと仮定した場合に、サバイバー集団の何人がそのがんを発症するかを予測し(期待値)、実際に観察されたがん発症者の数を期待値で割った値を言います。標準化死亡比は、がんサバイバーの死亡リスクが一般の人々と同じだと仮定した場合に、サバイバー集団の何人がそのがんで死亡するかを予測し、実際に観察された死者の数を期待値で割った値を言います。

男性のサバイバーでは、4万9065人(1万人-年あたり177人)が第2の原発がんを発症しており、そのがんによる死亡は2万8463人(1万人-年あたり104人)でした。一般集団に比べ発症リスクは11%高く(標準化罹患比1.11)、死亡リスクは45%高くなっていました(標準化死亡比1.45)。女性のサバイバーでは、第2の原発がん発症は6万2348人(1万人-年あたり109)、これによる死亡は3万4879人(1万人-年あたり62)で、一般集団に比べ発症リスクは10%高く(標準化罹患比1.10)、死亡リスクは33%高くなっていました(標準化死亡比1.33)。

再びがんを発症するリスクが最も高いのは喉頭がんのサバイバー

男性で第2の原発がんの発症リスクが最も高かったのは、喉頭がんのサバイバーで、一般人の1.75倍でした。2番目に高かったのはホジキンリンパ腫のサバイバーで、一般人の1.59倍でした。また、男性で第2の原発がんによる死亡リスクが最も高かったのは胆のうがんサバイバーで、一般人の3.82倍でした。

女性でも、第2の原発がんの発症リスクが最も高かったのは喉頭がんのサバイバーで、一般人の2.48倍でした。2番目は食道がんのサバイバーで、一般人の1.89倍でした。第2の原発がんによる死亡リスクが最も高かったのは咽頭がんのサバイバーで、一般人の4.56倍でした。

報告されていたすべての第2の原発がんを、がんのタイプ別に分類すると、発症者が多かった第2の原発がんは 、男性では、肺がん(19.1%)、前立腺がん(13.7%)、膀胱がん(11.1%)、大腸がん(10.1%)の4つで、女性では、肺がん(19.3%)、乳がん(17.3%)、大腸がん(11.0%)、子宮体がん(7.4%)でした。

死亡についても同様に分類すると、死亡者が多かった第2の原発がんは、男性では、肺がん(33.1%)、大腸がん(8.8%)、膵臓がん(8.5%)、非ホジキンリンパ腫(6.0%)で、女性では、肺がん(31.2%)、膵臓がん(9.4%)、乳がん(5.8%)でした。

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