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増える「がんサバイバー」 2度目の発症リスクに注意

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日経Gooday(グッデイ)

成人後にがんを発症し、治療を受けたがんサバイバー(がんを体験した人)は、その後新たに別のがんを発症するリスクや、それによって死亡するリスクが、一般人に比べて高いことが米国の研究で明らかになりました。

がんサバイバーは、新たながんの発症リスクが1割程度高い

がんの治療が進歩するにつれて、先進国では成人のがんサバイバーが増えています。また、最初のがんが治癒してからの年数が長くなるにつれて、全く別の原発がん(転移ではなく、新たに発生したがん)を発症する人の数も増加しています。

そこで米がん協会などの研究者たちは、米国のがん登録を利用して、がんサバイバーの第2の原発がんの発症と、これによる死亡のリスクについて総合的に分析しました。

対象にしたのは、1992年から2011年までの期間に最初の原発がんと診断され、それから5年以上生存していた20~84歳のがんサバイバー153万7101人(平均年齢60.4歳、48.8%が女性)です。これらの人たちを平均7.3年(1119万7890人-年)追跡したところ、15万6442人が第2の原発がんを発症し、8万8818人がその原発がんによって死亡していました。

著者らは、がんサバイバーの第2の原発がんの発症リスク/死亡リスクを、同じタイプのがんを一般の人が最初の原発がんとして発症するリスク/そのがんによって死亡するリスクと比べました。算出したのは、「標準化罹患比」と「標準化死亡比」です。

標準化罹患比は、がんサバイバーの発症リスクが一般の人々と同じだと仮定した場合に、サバイバー集団の何人がそのがんを発症するかを予測し(期待値)、実際に観察されたがん発症者の数を期待値で割った値を言います。標準化死亡比は、がんサバイバーの死亡リスクが一般の人々と同じだと仮定した場合に、サバイバー集団の何人がそのがんで死亡するかを予測し、実際に観察された死者の数を期待値で割った値を言います。

男性のサバイバーでは、4万9065人(1万人-年あたり177人)が第2の原発がんを発症しており、そのがんによる死亡は2万8463人(1万人-年あたり104人)でした。一般集団に比べ発症リスクは11%高く(標準化罹患比1.11)、死亡リスクは45%高くなっていました(標準化死亡比1.45)。女性のサバイバーでは、第2の原発がん発症は6万2348人(1万人-年あたり109)、これによる死亡は3万4879人(1万人-年あたり62)で、一般集団に比べ発症リスクは10%高く(標準化罹患比1.10)、死亡リスクは33%高くなっていました(標準化死亡比1.33)。

再びがんを発症するリスクが最も高いのは喉頭がんのサバイバー

男性で第2の原発がんの発症リスクが最も高かったのは、喉頭がんのサバイバーで、一般人の1.75倍でした。2番目に高かったのはホジキンリンパ腫のサバイバーで、一般人の1.59倍でした。また、男性で第2の原発がんによる死亡リスクが最も高かったのは胆のうがんサバイバーで、一般人の3.82倍でした。

女性でも、第2の原発がんの発症リスクが最も高かったのは喉頭がんのサバイバーで、一般人の2.48倍でした。2番目は食道がんのサバイバーで、一般人の1.89倍でした。第2の原発がんによる死亡リスクが最も高かったのは咽頭がんのサバイバーで、一般人の4.56倍でした。

報告されていたすべての第2の原発がんを、がんのタイプ別に分類すると、発症者が多かった第2の原発がんは 、男性では、肺がん(19.1%)、前立腺がん(13.7%)、膀胱がん(11.1%)、大腸がん(10.1%)の4つで、女性では、肺がん(19.3%)、乳がん(17.3%)、大腸がん(11.0%)、子宮体がん(7.4%)でした。

死亡についても同様に分類すると、死亡者が多かった第2の原発がんは、男性では、肺がん(33.1%)、大腸がん(8.8%)、膵臓がん(8.5%)、非ホジキンリンパ腫(6.0%)で、女性では、肺がん(31.2%)、膵臓がん(9.4%)、乳がん(5.8%)でした。

喫煙関連のがんと肥満関連のがんのサバイバーが大部分を占める

喫煙関連の12タイプのがん(喉頭、口腔咽頭、食道、肺/気管支、子宮頸部、膵臓、尿路上皮、腎臓/腎盂、胃、急性非リンパ性白血病、肝臓/肝内胆管、大腸のがん)のサバイバーは、第2の原発がんとして再び喫煙関連のがんを発症するリスクが高い傾向が見られました。男性では、上記のうち肝臓/肝内胆管がんを除く11タイプのがんのサバイバーにおいて、女性では、胃がんと急性非リンパ性白血病を除く10タイプのがんのサバイバーにおいて、喫煙関連の第2の原発がんを発症するリスクが有意に高くなっていました。

リスクが最も高かったのは、女性の喉頭がんサバイバー(一般人の4.62倍)、続いて女性の食道がんサバイバー(2.99倍)、男性の喉頭がんサバイバー(2.46倍)となっていました。これらのデータは、喫煙が、最初のがんと2番目のがんに共通する危険因子であることを示唆します。

肥満関連の12タイプのがん(胆のう/胆管、膵臓、胃噴門、甲状腺、子宮体部、乳房、腎臓/腎盂、卵巣、大腸、多発性骨髄腫、肝臓/肝内胆管のがん、食道腺がん)のサバイバーも、第2の原発がんとして肥満関連のがんを発症するリスクが高くなっていました。

同様に、飲酒関連のがん(食道がん、胃がん、肝臓がんなど)、感染症関連のがん(子宮頸がん、口腔咽頭がん、肛門がんなど)のサバイバーもまた、第2の原発がんとして同じタイプのがんを発症するリスクが高いことも明らかになりました。

今回の研究では、喫煙または肥満との関係が示されているタイプの原発がんのサバイバーが、第2の原発がんの発症者・死亡者のかなりの部分を占めていました。このことは、タバコを吸わず、標準体重を維持するよう努力すれば、最初のがんと2度目のがんの両方のリスクを低減できることを示唆します。この研究はまた、がんサバイバーが発症前よりも健康的な生活を送れるよう支援することの重要性も示しています。

論文は、2020年12月22/29日付のJAMA Network Open誌電子版に掲載されています[注1]

[注1]Hyuna Sung, et al. JAMA. 2020;324(24):2521-2535.

[日経Gooday2021年4月7日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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