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インタビューに答える隈研吾氏(写真:日経クロステック)

インタビューに答える隈研吾氏(写真:日経クロステック)

国立競技場や高輪ゲートウェイ駅、角川武蔵野ミュージアム……。「また隈さんか」と建築設計者たちが羨むほど、近年の建築・都市におけるビッグプロジェクトは建築家の隈研吾氏が携わったものが目に付きます。あまりにジャンルが多岐にわたるため、「隈建築」の輪郭を捉えたメディアはごくわずか。新刊『隈研吾建築図鑑』(日経BP)では、隈氏の転機となった国内50作を厳選し、イラストによる解説で「隈建築」の進化に迫ります。ここでは隈氏のインタビューを紹介します。(聞き手は、著者の画文家・宮沢洋氏)

◇   ◇   ◇

宮沢洋(以下、宮沢) 本書では、隈建築を4つに分類しました。「びっくり系」「しっとり系」「ふんわり系」「ひっそり系」。それについてはどう思われましたか。

隈建築を4つに分類し、それぞれの進化をたどった(絵・文:宮沢洋)

隈建築を4つに分類し、それぞれの進化をたどった(絵・文:宮沢洋)

私は特に「ふんわり系」に注目していて、ここの領域は、いわゆる有名建築家の方がこれまであまり力を入れてこなかったところだと思うんです。隈さんはこの10年くらい、その領域で魅力的な建築をつくってこられた。

隈研吾(以下、隈) ここでいう「ふんわり系」というのは、僕自身は「ユルイ系」と言っています。緩くてのんびりな建築。そこを見つけ出してくれたのは、すごく新しいと思いました。僕自身、意識的にそこに関わるようにしていたので。

今までの建築家はあまり関わらなかった部分を、僕は意識的に受け入れている。そこにニーズが来ているのに、以前の建築家ならばそれを断っていた。僕の方から積極的にそこの領域をつくり出している部分もある。この本の中に、「これまでは地域の設計事務所や大手設計事務所がやっていたプロジェクトだ」と書いてあって、言われてみたらそうだなと。特に、地域の設計事務所がやっていたんでしょうね。

宮沢 建築家として名を成すには「びっくり」か「しっとり」のどちらかでブレイクするのが一般的で、そこで有名になると、普通はそこから広がろうとしない。隈さんの言う「ユルイ系」、本書で言う「ふんわり」を積極的にやろうとしている有名建築家は、伊東豊雄さん(1941年~)くらいじゃないかと……。

 伊東さんは3.11(東日本大震災)を機に、自分はユルイ系をやるんだという意識を持たれたように見えるけれど、体質的にそういう人じゃないように思う(笑)。行ってみると緩くないものが多い。ユルイ系を緩くやるのは意外に高度な技を必要とするんですよ(笑)。

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