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デザイン思考の授業

伝えたい要素を紙1枚に デザイン思考のアウトプットデザイナーから学ぶ新たな切り口の作り方(7)

2021/5/4

デザイン思考の授業

写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

「デザインの世界には、ビジネスマンが日々の仕事の中で新たな価値を創るためのノウハウがたくさん存在しています」。日本でのデザイン思考の第一人者といわれる佐宗邦威氏はこう言います。先ごろ大幅に加筆修正して文庫化された同氏の著書『世界のトップデザインスクールが教えるデザイン思考の授業』(日経ビジネス人文庫)から、デザイン思考の入り口となる思考法を紹介します。

アウトプット:シンプルに感情に訴えかける体験デザインを行う

伝えたい要素を凝縮していかにシンプルにし、受け手に合った形でドラマ性のある体験を実現し、感情を揺り動かすか。

普段のビジネスでもほとんど無意識にしていることですが、私にとっては新しい学びがありました。

これには、凝縮フォーマット、メタファー、ストーリーテリング、体験デザインという4つの要素があります。

凝縮フォーマット

デザイナーは、様々なアイデアを凝縮してシンプルなものにするため、1枚のポスターや、ネーミング、キャッチコピーなどのフォーマットを利用します。1枚で表現しなければならないという、フォーマットにおける制約を自ら課すことで、自動的にいらない要素を削ぎ落とさざるを得ない環境を作りだすのです。

ユーザー観察の授業では、2カ月にわたってリサーチを行い、分析を進めていたのですが、あるとき先生から「さあ、今からリサーチ結果をまとめるポスターのプロトタイプをホワイトボードに5分で書いてみてくれ」という指示がありました。

かなりの時間をかけて行ったリサーチの結果を5分で、しかもポスターのフォーマットにしてまとめるのはものすごく大変に思えます。しかし、ホワイトボードに短い時間で書かねばならないという制約を課されることで、本当に大事なエッセンスが何かということに議論が向かうきっかけになったように思います。結果として、ポスターのプロトタイプを作ったことで、大事な構成が一目瞭然にわかるようになりました。

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