すでに20年10月、BMSGで契約した19歳(当時)のヒップホップアーティストNovel Coreのシングルを、BMSGとエイベックスが共同設立したレーベル「B‐ME」からリリース。次いで「THE FIRST」では、ボーイズグループの誕生を目指す。

(写真:上野裕二)

その「THE FIRST」は、4月2日から『スッキリ』(日本テレビ系)で放送を開始。その夜にHuluで完全版を配信する。Huluと『スッキリ』と言えば、昨年、NiziUを生んだ「Nizi Project」の座組だ。『スッキリ』でのオーディション密着企画が決まったのは、BMSG代表取締役CEOとして自ら日本テレビに足を運び、「ダメ元でプレゼンした結果」だという。今後、地方での審査の様子から東京での審査、合宿の模様などが次々に番組で流されていく。

一方で、「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」をはじめ、Big Hit Japanによる「&AUDITION」、さらには「Nizi Project」の男性版など、大型のボーイズグループオーディションも複数予定されている状況だ。その中で、「THE FIRST」は、どんな特徴を打ち出すのか。

「人を選ぶ」という重圧

「例えば、JYP(エンターテインメント)がオーディションをやるとなると、TWICEなど過去のロールモデルがあるから、ワールドスターになる道が割と明確に見えている。高校野球の甲子園常連校の選手にはプロ野球やメジャーリーグが見えているというのが『Nizi Project』の状況だとしたら、うちは1年目の新設校が甲子園常連校に挑んでいくみたいなものですよね(笑)。

『THE FIRST』のステートメントは、『クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファースト』。今まで自分が活動してきて、日本の大手芸能事務所でそれらを掲げているのを見たことない、ということが、自分の1番の疑問でもあり憤りでもあったので、僕はそれをやります。自分のスタイルやスタンス、メッセージがあることを大切にすると掲げたオーディションなので、それらをちゃんと見られて、さらに磨いていける場にしたい。そこが他のオーディションとの違いです。

実際には、たくさんの応募が集まり、当初はクオリティーの高さにワクワクしていましたが、次から次に他のオーディション番組が発表され、『審査会場に誰も来ないんじゃないか』って、正直怖かったです。でも蓋を開けたら、事前審査で『絶対見たいな』と思っていた子たちはほぼ全員来てくれました。『クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファースト』『才能を殺さないために』といったステートメントやSNSでの自分の発信に共鳴して来てくれている子が多くて、こんなにいるんだなと。その意味で、やってよかったなって救われる思いもあります。ただ、リスペクトしてくれるのはありがたいんですが、合宿中に1回くらいタメ語で話してほしいという密やかな目標はあります。

オーディションの審査をすることで、人が人を選ぶ業の深さも感じています。育成のプロセスとしての合宿なのに、人数を減らしていかなくちゃいけない……つらいですね。残っている子が夢に出てくることもあるけれど、脱落した子と話している瞬間とかは毎晩夢で見ます。だからこそ、『投票でこうなっちゃったんです』とかにしたくない。僕という1人の人間が独断と偏見で選ぶという責任を負う必要があるし、その選考内容は番組内でしっかり開示していく必要はあるなと思っています」

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