興味深いのは、(1)から(3)の人たちが、お互いに交わりにくい状況にあることです。仕事が減り、暇になった(1)の人たちは、同じような人々と交流します。仕事に振り回されている(2)の人たちは、業務をこなすので精いっぱいで余裕がありません。(3)の人たちは、同じように時代の変化を楽しんでいる人たちと交流し、新しい価値を生み出しているのです。

こうした断絶は、コロナ前もオフィスなど限られた空間の中で起きていました。しかし、オンライン化が進んだことで、それぞれの動きがいっそう見えにくくなり、どんどん差が開いていっているのです。

「声がかかる人」だけが生き延びられる

コロナで大きなダメージを受けた航空業界や飲食業界などでは、休廃業の増加や早期退職者の募集に関するニュースが報道されました。同時に、社員の収入を守るために、副業を解禁する動きも加速しています。

「いわゆる『フルタイムの正社員』は徐々に減っていき、もしかしたら多数派ではなくなる日がくるのかもしれない」と高橋さんは述べます。しかし、社内でも声がかからない人が、社外で「声がかかる」人になるのは難しいでしょう。

人から声がかかる状態になっていないのに、いきなり副業や独立をするのはいばらの道です。まずは、本業で成果をあげることが前提です。「個の時代」というメッセージに煽(あお)られたまま、武器を持たずに組織を飛び出してしまうと、取り返しのつかないことになる場合もあります。

私があなたにお勧めしたいのは、「もし仮に、会社の肩書やブランドを外したとき、自分がどのぐらい世の中で通用するのか」を、組織にいるうちに試してみることです。

(第1章「個の時代」に振り回されず生きるには 25ページ)
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相手の心を動かして、望む未来をつくる
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