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台風の目はHYBE

BTSやTOMORROW × TOGETHERらが所属するHYBE(旧Big Hit Entertainment)の日本法人HYBE LABELS JAPANが主催し、ファンの期待を集めているのが『&AUDITION』だ。前述のENHYPENを生んだプロジェクト『I-LAND』に参加した5人と共に新しいグループとして活動する、新メンバーを募集する。

『&AUDITION』 HYBE LABELS JAPANが実施するオーディションプロジェクトでは、2020年の『I-LAND』に参加した5人に合流する追加メンバーを決める。KYUNGMIN、TAKI、K、EJ、NICHOLAS(写真左から)は『I-LAND』以降も韓国で厳しいレッスンを積んできた。TAKIとKは日本、KYUNGMINとEJは韓国、NICHOLASは台湾出身と、多国籍編成のグループになる (C)HYBE LABELS JAPAN

『I-LAND』は、CS放送MnetとABEMAを通して日韓同時に放送したことが、日本での熱狂の1つの要素につながった。現在のところ、公開オーディションであるかは明かされていないが、メンターにBig Hitのパン・シヒョク代表や音楽プロデューサーのPdogg氏、パフォーマンスディレクターのソン・ソンドゥク氏、スペシャルアドバイザーに作曲家兼音楽プロデューサーの今井了介氏、UTA氏を配した豪華布陣を見る限り、公開型オーディションであることはほぼ間違いないだろう。

このプロジェクトから誕生するボーイズグループは21年にデビュー予定だ。HYBE LABELS JAPANが放つグループが、日本からグローバルに向けてどんな施策を展開し、どんな活躍を果たすのか期待が集まる。

『PRODUCE 101 JAPAN』のフォーマットを生み、HYBEとの共同プロジェクト『I-LAND』も成功に導いたCJ ENMは、ガールズグループを作る独自のオーディションプロジェクト『Girls Planet 999』の始動を発表した。オーディションの模様は、年内にABEMAで日韓同時に無料配信することも決まっている。応募資格は日・中・韓の3カ国の女性。芸能事務所に属していても、デビュー経験があっても応募できるとし、すでに知名度のある人材が参加することも予想される。

なお、22年には、HYBEとアメリカのユニバーサル ミュージック グループがタッグを組んだオーディション番組も始動する予定だ。HYBE側はアーティストの発掘と育成、ファン向けの施策を展開し、ユニバーサル ミュージック グループ側は、音楽制作や世界配信、番組制作を担当し、グローバル・ボーイズグループのメンバーを選抜していく。この巨大プロジェクトがローンチすれば、国や地域の枠を越えた新たなヒットの仕組みづくりが、さらに大きく進化しそうだ。

SKY-HIの本気に期待

グローバルを目指す人材が中国でのチャンスをつかみに行っているのも21年の新たな傾向だ。「WeTV」(テンセントビデオ)で配信されたサバイバルオーディション番組『創造営2021』は、90人中17人が日本人。元ジャニーズJr.の羽生田挙武や、『PRODUCE 101 JAPAN』に出演した井汲大翔、BATTLE BOYS(スターダスト所属)の佐藤永翔、INTERSECTION(エイベックス所属)のメンバーなど、すでに国内でキャリアや知名度を積んだ名前が目立つ。同じく配信中の『青春有尓3』には、ソニー・ミュージックレーベルズから橋本裕太が参加している。

いずれのオーディションも、誕生グループは期間限定の活動。集中的に中国で活動することで現地マーケットに基盤を作ることは、本人たちはもちろん、彼らが所属するプロダクションにとっても大きな魅力に違いない。

『BMSG Audition 2021-THE FIRST-』 SKY-HI(写真)が代表を務める「BMSG」主催のオーディションでは、21年にデビューするボーイズグループのメンバーを選出する。現在、毎週金曜にHULUにて本編を配信、同日朝には『スッキリ』、TVerでダイジェスト版を展開する。オーディション名『THE FIRST』は、「クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティズムファースト」への思いから

日本発のプロジェクトの中で、本気でグローバルを目指す気骨を感じるのが、ラッパーでシンガーソングライターのSKY-HI(AAAの日高光啓)が立ち上げたオーディションプロジェクト『BMSG Audition 2021-THE FIRST-』だ。20年9月にマネジメントレーベル会社「BMSG」を自ら設立したSKY-HIは、年内にこのオーディションを通して5人組(予定)のボーイズグループを誕生させる予定だ。BMSGのホームページには、自身が感じている危機感が赤裸々につづられている。

「ダンス&ボーカルといえばK-POPという時代になってから随分と経った。特にクオリティと手数の多さでは大きく水を開けられてしまった。僅か10年ほどで、である。次の10年で、本気で追いついて、アジアから世界へ新しい風を巻き起こすつもりである」(原文ママ)

自身もダンス&ボーカルグループで経験を積み、さらにはラッパーとして海外のアーティストと交流してきたなかで、どのような道筋を作っていくのか。

特集 最新ヒット&ブレイクの作り方(4)「JO1輩出のオーディション 第2弾はデジタルフル活用」>>

(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント! 2021年4月号の記事を再構成]

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