検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

睡眠の質は「鼻」から もしかしたら「隠れ鼻づまり」

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経ヘルス

睡眠中に起きる鼻づまりが睡眠障害を引き起こし、睡眠の質を低下させていることはあまり知られていない。花粉症シーズンにだるさや眠気を感じるという人は、鼻づまりの改善に取り組んでみよう。『鼻専門医が教える 「熟睡」を手にする最高の方法』が話題の黄川田徹さんに聞いた。

花粉症の時期に疲れやすさを感じる理由

花粉症シーズンの到来で、「頭がぼんやりする」「疲れやすい、疲労感が抜けない」などと感じている人もいるだろう。従来、このような症状が出るのは抗ヒスタミン薬の副作用で眠気が増すことが主な原因だと考えられてきた。だが、鼻のクリニック東京理事長の黄川田徹さんは「鼻づまりによって引き起こされる睡眠障害が関与している可能性が高い」と話す。

睡眠中に鼻がつまると、その苦しさから眠りが浅くなって「熟睡できない」「寝ても疲れがとれない」ことになり、日中に眠気を催したり、疲労を感じたりするのだという。「海外では10年ほど前から鼻のトラブルと睡眠障害の関連を示す論文が出ています。国内で注目を集めるようになってきたのは、ここ1、2年ほどのことです」。

ここで、鼻づまりはどのように起きるのか確認しておこう。鼻の穴の奥には縦横が数cmある広い「部屋(鼻腔・びくう)」があり、この部屋の「壁(鼻腔粘膜)」が腫れて「部屋」が狭くなると、空気が流れにくくなる。これが「鼻づまり」だ。

鼻の鼻腔粘膜が腫れると「鼻づまり」になる

鼻の粘膜の中にはスポンジ状に血管が張り巡らされており、血液をため込みやすいため、もともと腫れやすいという性質がある。花粉症などによる季節性の鼻炎、ほこりやハウスダストなどによる通年性のアレルギー性鼻炎やアレルギーが関与しない非アレルギー性鼻炎などの慢性鼻炎などにより鼻腔粘膜に炎症が起き、腫れやすさが増強されれば、簡単に鼻づまりが起きてしまう。

呼吸は「鼻で」が正解 口呼吸では代替できない

「鼻がつまっていても、口で呼吸できればいいのでは?」と思う人も多そうだが、これは間違いだ。「本来、呼吸は鼻でするのが正常な状態。鼻呼吸は、口呼吸にはないさまざまな役割を担っているため、口呼吸で代替できないのです」。

鼻には息を吸ったり吐いたりする「呼吸器」としての機能と、匂いなどを感じる「感覚器」としての機能がある。このうち生命維持に直結する呼吸機能において、鼻は(1)空気中のほこりや細菌などの有害物質を取り除く「濾過(ろか)機能」、(2)吸い込んだ空気の温度や湿度を調整して肺の環境を一定に保つ機能、(3)のどから肺までの空気の通路を広げる機能、(4)血液への酸素の取り込みを促進させる機能――の4つを担っている。口呼吸の場合、空気がのどを通って肺に入ることになるが、のどにはこの4つの機能はない。

特に、睡眠の質の低下と関係するのは(3)と(4)の機能だ。「鼻の粘膜にはセンサーがあり、神経反射を起こして肺の空気の出入りを促す役割があります。寝ている間に鼻がつまって口呼吸になると、このセンサーがしっかり働かなくなってしまいます。また、鼻呼吸だと、鼻腔などの粘膜で産出される一酸化窒素が、肺に届き、肺の血管を広げて酸素の取り込みを促しますが、口呼吸だと肺への一酸化窒素が減少してしまうため、血中の酸素濃度低下にもつながるのです」。

実は気づきにくい睡眠中の鼻づまり

睡眠中に起きる鼻づまりには、本人が気づきにくいという問題もあるという。

あまり知られていないが、鼻づまりは夜間に症状が重くなりやすい傾向があるのだ。「鼻の粘膜のスポンジ状の血管は日中に交感神経が活性化されると収縮しますが、夜間は緩みやすくなって血液をためやすくなります。つまり、鼻は日中に通りが良く、就寝中は通りが悪くなりやすい仕組みを持っているのです」。日中はさほど鼻づまりを感じないという人も、注意が必要だろう。睡眠中に鼻がつまる「かくれ鼻づまり」が起きていないか、チェックリストで確認しよう。

気づいていない人も多い!「かくれ鼻づまり」 チェックリスト

□いびきをかくことがある
□口を開けて寝ている(うっすら開いている場合も注意。特に早朝)
□睡眠中に呼吸が止まることがある
□夜中に目を覚ます
□寝起きが悪い
□朝起きたときに疲労感が残っている
□朝起きたときに口やのどが渇いている
□日中に口で呼吸をしていることがある
□昼間に眠くなる
□集中力に欠けたり、集中できる時間が短かったりする
□自覚症状の有無を問わず、「鼻炎」と診断されたことがある
□鼻水をよくかむ
□匂いに鈍感だと感じることがある
□あごが小さく、歯並びが悪い
□ぜんそくや気管支炎など、気道粘膜のトラブルを起こしやすい

いびきをかくことがある人は、睡眠中に鼻づまりが起きている可能性が高い。このほか、寝起きの疲労感や日中の眠気がある場合や、あごが小さく歯並びが悪い場合などにも鼻づまりによる睡眠障害の可能性が考えられる(チェックリストは黄川田さんによる)。

花粉症による鼻づまりは鼻洗浄が改善への一歩

花粉症で鼻づまりに悩んでいる人や「かくれ鼻づまり」の可能性がある人に黄川田さんが最初に薦める対処法は「鼻洗浄」だ。「鼻を洗うなんて、ツンとして痛いのでは?」という心配は無用。人間の体液と同じ浸透圧の生理食塩水で洗えば、ツンとすることはない。

なぜ、鼻洗浄が有効なのか。「空気中の花粉やほこり、細菌などの粒子のほとんどは、まず鼻の入り口から3分の1くらいのところで捕捉されます。ですからそこを生理食塩水で洗い流せば花粉やほこりを積極的に取り除くことができ、これらを原因とするくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を軽減させられます」。黄川田さんによれば、欧米では鼻洗浄について鼻や副鼻腔の粘膜の炎症に対して生理食塩水を用いた洗浄が有効であるとの論文が10年ほど前から報告されているという。

鼻洗浄については一般にさまざまな方法が紹介されているが、目的は「鼻の入り口から3分の1程度のところ」を洗い流すこと。「洗浄水をのどに回したり、反対側の鼻に届くほど奥に送り込んだりする必要はなく、入れた側の穴から洗浄した水が流れ出る程度で十分です」。

思い当たる人は挑戦!「鼻洗い」の方法
準備 : 市販の鼻洗浄液を用意するか、体温に近いぬるま湯200mlに小さじ1/2弱の食塩を溶かし、専用の容器に入れる。

鼻洗浄だけで症状が抑えられない場合は、ステロイド点鼻薬を使用する。「ステロイド点鼻薬は、鼻づまりが原因で起こる睡眠障害の症状である日中の眠気に対して、効果も確認されています」。

症状が重い場合は手術治療という選択肢も

「鼻づまりで苦痛を感じる」「夜間の鼻づまりが原因で睡眠の質が落ちている」といったケースで、鼻洗浄とステロイド点鼻薬では症状が改善しない場合、手術治療という選択肢もある。一般に広く行われているのは、レーザーや高周波などで鼻腔粘膜に熱を加えて凝固させる手術で、外来でも簡単に受けられる。「ただし手術の効果は限定的です。花粉症では、効果は長くて数年程度でしょう」。

より高い効果を望む場合は、鼻腔粘膜の神経を切断することで粘膜を腫れにくくする「後鼻神経切断術」という方法もある。「なかでも、鼻の内側から粘膜を1cmほど切開して0.2~0.5mm程度の神経だけを切断する超微細手術なら、出血が少なく身体への負担も抑えられます」。

鼻づまりの治療で日中の眠気が改善

(取材・文・商品写真 千葉はるか/イラスト・グラフ 千葉さやか)

[日経ヘルス2021年4月号記事を再構成]※情報は掲載時点のものです

黄川田徹さん
鼻のクリニック東京 理事長。医学博士(東京大学)。東京大学耳鼻咽喉科助手、浜松医科大学耳鼻咽喉科講師などを経て91年「サージセンター浜松」、08年に「鼻のクリニック東京」を開設。鼻炎や副鼻腔炎など、鼻の疾患の治療に注力している。

鼻専門医が教える 「熟睡」を手にする最高の方法

著者 : 黄川田 徹
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 1650円(10%税込)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_