「エアコン渋滞」にはまらないために

「エアコン渋滞」にはまるのは何とか避けたい。さて、どうしたらいいのか。

まずは早い時期に、エアコンを試運転してみることをお勧めしたい。メーカー側は、5月中に1度は試運転をすることを提案している。試運転では「冷風が出ない」「電源が入るが動かない」といった故障が見つかることが多いという。

パナソニックは試運転の方法として、(1)電源を入れる前にブレーカーやコンセントにホコリがないかを確認する、(2)運転モードを冷房にして運転を開始し、エアコンがしっかり動くまで30分以上運転する、(3)異音がしないか、風が出るか、風が臭わないか、水漏れがないかなど、エアコン本体やリモコンをチェックする――といった3ステップでのチェックを勧めている。

最近のエアコンには、自動的に試運転をする機能を搭載した製品もある。例えば日立ジョンソンコントロールズ空調(東京・港)の「白くまくん プレミアムXシリーズ」は2021年モデルから「プレシーズンお手入れ」機能を搭載している。毎年5月ごろに、自動で同社独自の凍結洗浄などのクリーン運転を行い、フィルターやファンを掃除したうえで故障を自己診断する。お手入れと試運転の手間を省き、快適に夏のシーズンを迎えることができるというわけだ。

冷房性能を最大限に発揮するためには、シーズン前にフィルターを掃除しておきたい。パナソニックの調査では、多くの人が正しい頻度でフィルター掃除を行っていないという実態も明らかになっている。同社は「エアコン能力の低下を防ぎ、消費電力を抑え、より長くエアコンを使用するためには、2週間に1回程度フィルター掃除をすることが大切」としている。だが同社の調べでは、2週間に1回以上掃除をしている人は13.0%にとどまる。22.8%の人が月に1回、20.0%が半年に1回などとなっている。

(出所:パナソニック)

自宅のエアコンの試運転やフィルター掃除が完了したら、離れて暮らす両親のエアコンにも目を向けたい。三菱電機によると、「自分のエアコンは試運転しているが、親のエアコンは試運転していない/わからない」とする人が39.1%、「自分のエアコン、親のエアコン共に試運転していない」と回答した人が16.7%で、その結果「両親のエアコンの試運転ができていない」という人が55.8%と、半数以上を占めている。同社では、「両親が高齢の場合、自分ではエアコンの掃除や試運転をできないことがある。家族みんなで協力しながら、快適な室内環境を作ってほしい」と提案する。

(出所:三菱電機)

夏場にエアコンが動かないということがないように、まずは今のエアコンの掃除と試運転。その結果、買い替えや新規・追加購入が必要となったら、すぐに動いたほうがよい。エアコンは意外と売り切れが多いからだ。パナソニックによると、昨年7~8月にエアコンを購入した人のうち、希望した製品を購入できた人はわずか25.5%という。すでに各社の21年モデルは出そろっているので、新製品を待つことはないだろう。

大河原克行
ジャーナリスト。30年以上にわたって、IT・家電、エレクトロニクス業界を取材。ウェブ媒体やビジネス誌などで数多くの連載を持つほか、電機業界に関する著書も多数ある。
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