コロナ下の仕事の装いの前編ではセットアップスタイルについて考えた。後編のテーマはカジュアルスタイルだ。在宅ワークでは周囲の目も気にならず、服装なんてどうでもいい、と投げやりになってもおかしくない。だが、実は外に出ない今こそ、これまでとは違う服装を試してみるチャンスでもある。ぜひ、カジュアルスタイルをアップデートしてみよう。前回に引き続き、外資系金融機関に勤める安藤健治さん(51)のリアルな服装を踏まえ、服飾評論家の石津祥介さんが論じる。(この記事の〈上〉は「リモート1年、仕事スタイル『これはNG』石津祥介氏」)
――コロナ下で在宅ワークばかりだと、おしゃれする気がうせるという人が増えています。
石津「残念ですね。対面ではできないような、大胆なおしゃれをするチャンスだよ。僕だって事務所で仕事をする時はさすがにダークトーンの服装が多いのですが、家にいるときはチェックのシャツを着たり、赤のフリースを着たりしますよ。カジュアルスタイルをアップデートしたらどうだろう」
古着店で掘り出したジャケットはヨーカ堂のだった
――リモートスタイルでカジュアル寄りというと、休日の楽なスタイルに傾きがちですよね。ポロシャツとパンツとか。安藤さんはちょっと前まで、そんなスタイルが多かったそうです。
安藤「ここ4~5年の間によくしていた格好です。簡単に言うと、一昔前のちょいワル系。クリーム色のジャケットはイトーヨーカ堂、ポロシャツはユナイテッドアローズ、パンツはビームスです。このパンツはストレッチが効いていて、車を運転するときなんかとてもいいものですが……。シルエットは今じゃない。久しぶりにはきました。全部古着で手に入れ、1着500~1000円くらい。このスタイルにはビットモカシンを合わせていたかも」
石津「ちょいワル系のピタピタをしている人は今でも多いんだな。ちょっと古さを感じてしまう。それにしても七分丈パンツみたいな短さですね。安藤さんはもう一生、その長さの丈のズボンははかないほうがいいですよ。ただ、麻のナチュラルカラーのようなジャケットはいいよね。どこのですか? ヨーカ堂のものなの?」

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