――このジャケット、袖口は本切羽で、こだわりが感じられますね。素材もいいです。これが500円ほどとは驚きです。
安藤「古着店ではブランドを見て買うことはないので直感でいいな、と思うものを選びます。とにかくいろんな装いを試したいので、安く手に入るお得な店をあちこち探し回っています」
――安藤さんの最近のカジュアルスタイルはこちらです。このようなシャツスタイルは仕事でも週末でもOKですよね。
安藤「シャツはユニクロですが、カフスの上のボタンが付いています。この剣ボロボタン(袖先の切り込み部分に付けられたボタン)を留めてちょっと腕まくりするといい感じに。シャツスタイルなら白い麻のシャツにネクタイをするのもアリだと思っています」
きちんと見えて便利なベスト ポケットは必須
――今風にふわりと着ています。最近注目を集めているバンドカラーのシャツですね。さらにきちんとした感じを出すなら、ジャケットでしょうか。
安藤「僕が提案したいのはベストなんですが、石津先生はいかがですか。シャツだけでなく、Tシャツやカットソーにベストを合わせるときちんと見えると思います。しかも、グレー、紺、茶系と3種類くらい用意して着回すと、毎日のコーデに変化がつけられて便利ですよ」
石津「ベストは僕も大好きです。何がいいかというと、手の可動域が増えますからね。おそらくリモートワークでパソコンを打つときも楽だろうな。ジャケットを着ていると重くて、腕が動かしにくいものね」
――安藤さんがお気に入りのベストはどんなものですか。
安藤「ベストに絶対あってほしいのがファスナー付きのポケットです。たとえ在宅でも手元に携帯が必要です。外に出るときに忘れないためにも、ポケットに携帯を常に入れておくので、スマートフォンが2つ入るくらいのポケットが左右にあると便利。僕は片方のポケットに携帯、もう片方には手袋、マスク、メガネをいれて、外に出るときは財布とカギを入れます」

――なるほど。リモートで必要とされる装いアイテムが見えてきましたね。ポケット付きのベストが見直されそう。
石津「ポケットがあれば、かばん代わりになります。フィッシングベストがおじさんの街着になっているのと似ていて面白いですね。ゴルフでも薄手のフリースベストやダウンベストが一気に広がったのも、スイングを邪魔しないからでした。レーサーもベストをよく着ているもの。コロナ下では腕を動かしやすいというのがキーワードだな。昔、ちゃんちゃんこを袖なしでベストのようにしたタイプがヒットしたのと似ているよね(笑い)」

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