「セットアップにTシャツ、ありえない」石津祥介氏ビジネスカジュアルのおしゃれ検証(上)

安藤健治さん(左)のジャケットを見る石津祥介さん。「うん、このジャケットは素材もシルエットも合格ですね」
安藤健治さん(左)のジャケットを見る石津祥介さん。「うん、このジャケットは素材もシルエットも合格ですね」

リモートワークが本格的に始まってからほぼ1年。月に数回オフィスへ出勤、それ以外は自宅やカフェで仕事、連日のテレビ会議に参加といった働き方が定着しつつある。そうした日々を過ごすなかで、装いへの気遣いはどう変わったのだろうか。「服装が緩んできた」と実感する人も少なくないはずだ。そこで服飾評論家の石津祥介さんと、この1年間の装いを振り返るとともに、リモートでもすてきに見えるヒントを2回にわたって探ってみる。リアルなワークスタイルの証言者として、外資系金融機関に勤める安藤健治さん(51)にも参加してもらった。(この記事の〈下〉は「『コロナの今こそカジュアルをアップデート』石津祥介氏」




――自他ともにおしゃれ好きと認める安藤さんですが、この1年間、どんな装いで仕事に臨んできましたか。また、職場の同僚のスタイルはどう変わりましたか。

安藤「昨年の緊急事態宣言後はシャツスタイルが多く、出勤時もシャツにパンツという人が大半でした。それが最近は激変しました。圧倒的に増えたのがパーカースタイル。今朝もそうですが、グレーか黒のパーカーを着てテレビ会議に臨む人が目立ちます。真夏は半袖の人もいますが、室内ですと寒暖差がほぼないためか3シーズン同じようなスタイルです」

石津「内輪の会議の時だけでなく、外の人が参加する会議でも?」

安藤「実態はそうです。うちの場合は午前9時から9時半くらいまで社内の会議がありますが、シャツスタイルはほぼゼロ。外の人との会議でも同様です。僕は家ではフリースの上下のような楽な格好をしますが、午後から外出があるときはシャツに着替えますし、11時くらいから外出というときは朝からシャツを着ます。お客様と会う時はジャケットは絶対持っていきます」

「ノータイばやりなら逆にネクタイ」で気分上げる

――安藤さんはジャケット派ですよね。でも、リモートワークではノータイ、ノージャケットという声をよく聞きます。

安藤「2020年の秋冬、中高年は『ジャケット忘れた』スタイルが多かったです。面倒くさいのでしょうか、スーツの上着をなくしたドレスシャツ+スーツのパンツ姿で、そこにブルゾンかダウンをはおる人が見られました。ドレスシャツにチノパンという組み合わせも多いですよね」

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「セットアップにTシャツ」はありえない
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