TikTok ライブ配信に投げ銭機能、独自ドラマも制作
特集 最新ヒット&ブレイクの作り方(1)
急速に進んだエンタ界のデジタル化を背景に、ヒットの作り方が大きく様変わりした。新たなスターを次々と生み出す「TikTok」や「オーディション」のトレンドからオンライン化でチャンスが広がる「バーチャルワールド」「カタログ」まで、ブレイク&ヒットの最新事情を探っていく。第1回で取り上げるのはTikTok。近年、新機能やオリジナルコンテンツの強化も進めることで、サービスの満足度をより高めている。その取り組みについて、TikTokに話を聞いた。
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「TikTok LIVE」は、2020年にスタートしたライブ配信機能。コロナ禍の影響で、タレントやミュージシャンたちがライブ配信を行うことはもちろんのこと、運営側もアートやカルチャーを意識した施策を行ったそうだ。「海外旅行に行くのが難しい状況が続くなか、昨年10月にはヨーロッパの歴史ある5つの美術館から、学芸員の方が絵画を解説する生配信を行いました。好評だったこともあり、12月には国内の美術館からも実施。また8月8日には、日本のとある場所で行ったシークレット花火大会の模様を生配信しました」(TikTokジャパンの音楽チーム シニアマネージャーの宮城太郎氏、以下同)
そして「TikTok LIVE」には、3月から投げ銭とも呼ばれる「ギフティング機能」が付いた。ついにTikTokでマネタイズをすることが可能となった。
ここに来てTikTokは、ドラマ、音楽番組、ニュースといったオリジナル番組の制作にも力を入始めている。そこには、"テレビのように使ってもらいたい"という思いがあるからだ。「テレビをザッピングしている最中に、お気に入りのアーティストが出演する音楽番組に出会ったり、気になったドラマやニュースがあれば見るみたいな。TikTokのおすすめフィード上でいろんなジャンルの動画を楽しんでもらえればと思います」
音楽番組では、スペースシャワーTVと組んで、『OTONARI! by TikTok&SPACE SHOWER TV』を1月から配信中。マカロニえんぴつのギター&ボーカルはっとりと、優里のセッションといったレアな組み合わせも見られる内容となっている。またTikTokに慣れ親しんでいないアーティストには、これを機会に使ってもらいたいという意図もあるそうだ。
TikToker出演ドラマ
オリジナルドラマはこれまでに、20年6月の志尊淳と水原希子出演の『リモートな恋』や、12月にはTikTokerの修一朗主演のドラマ『妄想アバンチュール』などを制作。今後についても、TikTokの強みを生かして、人気TikTokerが出演や制作に携わる作品も作る予定だという。
ニュースに関しては、20年8月から各メディアとタッグを組み、TikTok内でニュースを配信中。2月からは、『news zero』(日本テレビ系)の公式アカウントで、「ニュースの見方」というオリジナルニュース番組もスタートしている。「もともと日本でサービスを開始した当初は、10代の若年層が大半でした。ただ、昨年あたりから30代以上のユーザーも急増。ニュースの需要はさらに伸びる余地があると考えています」
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(ライター 中桐基善)
[日経エンタテインメント! 2021年4月号の記事を再構成]
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