大人の心もつかむ絵本のメッセージ

1960~70年代は国内で数多くの名作が出版された、絵本の黄金期。子どもたちをわくわくさせ続け、長く読み継がれてきた絵本はこの時期に世に出たものが多い。ロングセラーには大人の心もつかむ力が備わっている。ページをめくってみると、日ごろ忘れかけているユーモアや愛、挑戦の大切さを気づかせてくれる。

赤羽末吉氏のような画家の芸術的な作品から、グラフィックデザイナーのディック・ブルーナのシンプルなイラストが特徴のモダンな作品まで、個性的な絵柄も多くの人を魅了してきた。コラージュを多用して絵に立体感を持たせる「はらぺこあおむし」のエリック・カールは、その作品の色彩の美しさから「色の魔術師」とも呼ばれる。

幼少期に繰り返し読んだ絵本は、いくつになっても忘れることはない。デジタルの時代になっても、絵本はぬくもりを感じられる紙で読みたい。新型コロナウイルス禍で遠出がしづらいなか、小さな幸せを探しに書店に足を運んでみるのも悪くないかもしれない。

■ランキングの見方 数字は読者の評価を点数化。(1)作者(2)出版社(3)税込み価格。写真はおでかけひろば FUKU*fuku(東京・世田谷)の協力で鈴木健撮影。

■調査の方法 新井洋行氏(絵本作家)、磯崎園子氏(絵本ナビ編集長)、川辺陽子氏(教文館ナルニア国)、馬場里菜氏(クレヨンハウス東京店)、山本美恵子氏(絵本専門士)=五十音順=ら絵本に詳しい専門家の協力で、初版発行から30年以上たった「読み継ぎたい絵本」30冊を選出。NIKKEIプラス1倶楽部会員を対象に3月末、アンケートを実施した。これからも読み継ぎたい絵本を3冊まで選んでもらい、1冊目を4点、2冊目を2点、3冊目を1点として集計した。回答者は600人だった。

(高橋里奈)

[NIKKEIプラス1 2021年4月24日付]