■6位 いないいないばあ
218ポイント 絵本になった赤ちゃんの遊び

まだ口もきけず、歩けない赤ちゃんが喜ぶ遊びといえば、いないいないばあ。「それがそのまま絵本になった。ページをめくるたびに赤ちゃんが笑ってくれる、その安定した笑顔の繰り返しが一番の魅力」(磯崎さん)。赤ちゃんと何をして遊べばいいかと戸惑う親の強い味方だ。優しいタッチのぬくもりのある絵も愛される理由だ。

読者からも「保育士の資格を持つ妻が子どもに最初に与えた本。何百回と読んだ」(50代男性)。「妹に毎日読み聞かせていた。そして母になり子どもたちに。今は1歳半の孫娘の大のお気に入り」(50代女性)。出産祝いとしても人気だ。

(1)松谷みよ子文、瀬川康男絵(2)童心社(3)770円

■7位 スーホの白い馬
178ポイント 大切な存在を失うこととは

モンゴルの楽器、馬頭琴にまつわる少年と白い馬の悲しい物語。画家の赤羽末吉氏がモンゴルでのスケッチや写真をもとに描いた大草原が雄大だ。

「モンゴルという知らない世界を存分に体感できる。悲しみを抱えながら前を向いて生きていくスーホを心に留めておいてほしい」という山本さんは「この絵本は子どもたちの生きる力になると信じている」と力説する。

読者からは「大切な存在を失うとは、死んでしまうとはどういうことなのかを幼いなりに感じた」(40代女性)などの思いが寄せられた。

(1)大塚勇三再話(モンゴルの民話)、赤羽末吉画(2)福音館書店(3)1540円

■8位 ちいさなうさこちゃん
177ポイント 世界中で愛されるミッフィーの誕生物語

うさぎの女の子の誕生を祝福する物語。「オランダ生まれのうさこちゃんが世界中で愛され続けるのは、自分も生まれる前から祝福された存在であることを、絵本を通して感じられるからなのかもしれない」と馬場さん。

ディック・ブルーナのモダンでシンプルなイラストは時代を経ても古びない。濃い色使い、かわいらしいキャラクターは子どもの脳裏に強く刻まれ「文字が読めない年齢の子でも反応を示す不思議な絵本」(30代男性)。主人公のキャラクターは絶大な人気を誇り「今もミッフィーとしてすっかり家庭になじんでいる」(60代女性)。

(1)ディック・ブルーナ文・絵、いしいももこ訳(2)福音館書店(3)770円

■9位 ちいさいおうち
170ポイント いつまでも変わらないでほしいもの

のどかな田舎に立つ小さなピンク色の“おうち”がじっと季節や時代の変遷を見つめる。都市化の波にのみ込まれるが、最後は自然あふれる田舎に引っ越し、幸せに暮らす。山本さんは「世の中が変わっても、変わってほしくないものがある。何が大切で、何が幸せなのか、考えさせられる」という。美しい絵も魅力だ。

開発がどんどん進む様子が描かれ「現代文明への懐疑心が芽生えた」(60代男性)。一方「どんな環境でも変わらない自分で、希望を持ってほしいというはなむけのメッセージ」(50代女性)とする声もあった。

(1)バージニア・リー・バートン文・絵、石井桃子訳(2)岩波書店(3)1870円

■10位 からすのパンやさん
151ポイント ユニークなパンに子どもは大喜び

仕事や子育てに忙しく、お客さんが激減したからすのパンやさんが、一家総出で作り出したのが80種類以上ものパン。圧倒的な数のユニークなパンに子どもたちは大喜びだ。「かこさとしさんの優しくて、子どもたちを喜ばせたいという人柄がとてもよく伝わってくる」と新井さん。

「子どもの頃、パンがとてもおいしそうに見えて何度も読み返した」(50代男性)という人は多い。馬場さんは、さまざまな形の「おやつパン」のなかから「好きなパンを見つける楽しみは、子どもが自ら考え、選びとる力を育んできた。働くことの尊さも伝えてくれる」という。働く親へのエールも感じられる作品だ。

(1)かこさとし作・絵(2)偕成社(3)1100円



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大人の心もつかむ絵本のメッセージ