仕事着の選択肢が増えるにつれ、 ビジネスシーンにおけるスーツの着用頻度は減りつつある。とはいえ、職種や立場によっては、スーツを着なければならない場面は少なからずある 。だからこそ、奇をてらうことなく、ミドルの威厳や品格を演出することができ、タイムレスに使える王道の無地スーツをきちんと着こなしたい。そこで、今の時代に寄り添 いながら、ベーシックな無地スーツの洒脱(しゃだつ)な装い方を今一度、見直してみようと思う。スーツ本来のポテンシャルをしっかり引き出せるような着こなし方を身につける。今こそ改めて、無地スーツを極めよう。
無地スーツを洒脱に見せるなら
まず「ライトグレー」をモノにすべし
無地スーツをよりファッショナブルに装うには、色のトーンの違いによる使い分けを意識したい。洒脱なグレースーツスタイルは“ライトトーン”に限る。
ミドルが洒落るグレーはライトトーンと心得る
ビジネスマンであれば、誰もが一着は持っているはずの無地グレースーツ。場を選ばず着用できる使い勝手の良さが魅力だが、ともすると無難でつまらない印象を与えてしまうことも……。そこで小誌では、よりファッショナブルな印象を演出するのにはライトトーンこそベストだと考える。
いつものグレースーツがワントーン上がるだけで、途端に華やぎが増して、その存在感は際立ちはじめる。往年のハリウッドスターたちによって愛用されてきたことも、ライトグレーの魅力を物語っている。初見の仕事相手に会うときなど、控えめ感を重視し無地グレーを軸としながら、洒脱な柄タイを結んで臨めば、さりげなく相手に自分の印象を残すことができるはずだ。
■CESARE ATTOLINI(チェザレ アットリーニ)

落ち着きの無地グレーはネイビー小紋で控えめに華やぐ
ベーシックなサックスブルーの無地シャツにクラシックなネイビーベースの小紋タイを合わせたグレースーツ王道の着こなし。遠目無地に見えるマイクロヘリンボーン柄が特徴の段返り3Bスーツは、スーパー150’sウールとカシミヤを混紡した大見返しの柔らかい仕立てになっている。パンツは2プリーツ、ボタンフライのベルトレスタイプ。クラシックな雰囲気を存分に堪能できる一着だ。68万円(ディエトロレクインテ)
控えめな上品グレーは洒落見えするライトカラー
■BEAMS F(ビームス F)

控えめグレーはVゾーンの個性がみせどころ
ハリがありながらも滑らかな質感のウールが魅力の段返り3Bスーツ。パンツはクラシックなワンプリーツ仕様で、ほのかな光沢が上品さを印象づける。控えめ無地グレーだけに、グリーンにマルチカラーをあしらった個性的なヴィンテージ調のタイを合わせても、春らしい上品な華やかさを加えることができる。8万円(ビームス ハウス 丸の内)


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