「同じ生地を使ったパンツも展開しているので、セットアップで着用すると統一感が生まれます。足元は白のスニーカーで軽快にまとめたいですね」

フィッシングウエアに着想 暖かい日も快適
「少しずつ外出の機会が増えてきたこともあり、ナイロンアウターの需要は高まっています。多くの方が学生時代からなじみ深いアイテムなので、他のアウターより手に取りやすいというのも背景にあるかもしれません」
そう語るのは、長野県松本市にあるC.COUNTLY(シーカウントリー)店主の笠原雄太氏。選んでくれたのは日本発のENDS and MEANS(エンズアンドミーンズ)の一着。フィッシングジャケットに着想を得たデザインが特徴だ。

「合計で6つあるポケットや、メッシュ仕様の裏地にフィッシングウエアの要素が見られます。肌寒い日に羽織るのはもちろんですが、暖かい日でもさらりとした着心地を保ってくれます。街着としてだけでなく、ちょっとしたアウトドアのシーンでも使えますよ」

すっきりとした短めの着丈も目を引く。特に相性のいいボトムスやインナーはあるのだろうか。
「シルエットのバランスをとるなら、ややワイドなパンツを合わせたいですね。インナーには柄付きの着丈が長いシャツを合わせて、裾をのぞかせると適度なアクセントになります」

シックな色味 ビジカジでも使える高機能アウター
東京都目黒区、東急電鉄中目黒駅近くにあるHOSU(ホス)の札場武蔵氏にも話を聞いた。紹介してくれたのは、フィッシングウエアブランドのFoxfire(フォックスファイヤー)とコラボレーションした一着だ。
「魚釣りをする際の使いやすさを追い求めた、質実剛健なものづくりが特徴です。サオを振る『キャスティング』の動作を補助してくれる立体的な服の構造がその例ですね。このつくりは自転車や車に乗る際にも役立ちます。トレンドを意識しすぎない硬派なデザインも魅力です。一着持っておけば、流行に左右されず着続けられますよ」
防水・透湿機能を備えた「ゴアテックス」生地もポイントだ。その中でも特に軽量な「パックライト」を用いている。
「一般的なナイロンウエアに用いられることの多い『ゴアテックス』はごわごわとした肌触りがネックですが、『パックライト』は柔らかくて軽い。たたんで持ち運びもしやすいです。もしはっ水機能が落ちてきたら、布の上からアイロンを当てることで、再び水をはじくようになります。そういった意味でも長年付き合っていける一着ですね」
文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)
SUITS OF THE YEAR 2021
アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。