日経クロストレンド

マニュアル仕様の追加がユーザー層の拡大に貢献

N-ONEのモデルチェンジでは、最新のプラットホームに対応すると同時に、よりプレミアム感の高い室内仕様や、安全運転支援機能をはじめとする最新のデバイスを積極的に採用。その結果、価格帯も上がったが、これはコストをしっかりかけることで、初代N-ONEユーザーの期待に応える意味が大きい。

実際に、新型N-ONEの初期受注では全体の約4割が初代N-ONEからの乗り換えだという。その平均所有年数は7年というから、かなり愛着を持ったオーナーばかりだ。N-ONEはN-WGNよりも高価だが、鮮度が落ちにくいデザインで長く愛せるため、結果的にはお得ともいえる。

N-ONE Originalのインストルメントパネル(オプション装着車)

そして、利用者層を広げることに貢献したのが、4種類のタイプ展開だ。タイプの数は初代モデル末期と同じだが、より運転性能の高いモデルを追加したのだ。

最も安価でベースとなる「Original(オリジナル)」(税込み159万9400円~)は、「初めての愛車」として買われることを想定しており、20代女性が最も多い。オリジナルの内装などを少し豪華にした「Premium(プレミアム)」(同177万9800円~)も、女性が過半数を占め、特に40~60歳代が多いという。丸みを帯びたかわいらしいデザインのN-ONEは以前から女性に人気があったので、この2タイプはそれを順当に継承したといえる。

「N-ONE Premium」と「N-ONE Premium Tourer」は、水平基調の大開口フロントグリルにクロームメッキのパーツを配して高級感を出している

一方で、男性の目を引き付けるのに成功したのが上位の「Premium Tourer(プレミアムツアラー)」(同188万9800円~)と「RS」(同199万9800円~)の2タイプ。特に存在感を示すのが、全体の29%を占めるスポーティーグレードのRSだ。RSでは、新型N-ONEの起爆剤として、より走りの良さにフォーカスした専用開発を実施。N-ONE初のマニュアル車(6MT)も選べるようにした。これがクルマ好きの男性の心を捉え、事前受注では、一時は最も人気があったという。

販売データでも全体の16%がRSの6MTを選んでいるというから驚きだ。この人気はホンダも予想外だったようで、CVT(無段変速機)車の納期が約1~2カ月なのに対して、6MTは約4カ月待ちとなっている。この他、プレミアムのターボモデルといえるプレミアムツアラーも、男性が過半数を占め、特に高年齢層に人気だという。

「N-ONE RS」は、フロントグリルやホイールを黒系の色にまとめてスポーティーなイメージを強調している
RSはマニュアル車(6MT)も選べる。ステアリングは本革巻き
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レトロなイメージで、もともとあった個性を強調
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