
やや甘みが強いので、「ゴルゴンゾーラ・ドルチェのピッツァ」と相性がよい。半分はそのまま、残り半分は蜂蜜をかければ、デザート感覚も楽しめる。製造元のお薦めは、「ティラミス」と「カットフルーツのスパークリング和えとジェラート」。
最後にご紹介するのは、プリンセス社の「ボッリチーネ・ドライ(辛口)・アルテルナティヴァ・アルコール0.0」。日本市場での同社のラインアップに、今春、スパークリングが加わった。ボッリチーネは「小さな泡」を意味し、(弱)発泡性ワインのこと。「アルテルナティヴァ」はアルコールの代替飲料を指す。

同社は、白ワインの名産地トレンティーノ・アルト・アディジェ州にある食品研究・製造会社。近隣を含め3州のワインとブドウ果汁を使用し、電気透析で液体を安定させる独自の脱アルコール製法を開発。しっかりとした泡立ちと、コクのある辛口、黄色い花やかんきつ系の香りを実現した。お薦めは、「タレッジョ(など溶けるチーズ)・ソースのニョッキ」から「トマトソースのパスタ」、焼き菓子まで幅広い。
注意したいのは、日本の酒税法では、アルコール分が1%未満なら「ノンアルコール」に分類されることだ。つまり、これらノンアルコール飲料でも、自然発酵などによりアルコール分がゼロではない。イタリアワインに詳しく、大手デパートのワイン売り場に立つこともあるシニアワインエキスパートの依田雪絵さんは、「未成年や妊婦、授乳中の女性、アルコールに極端に弱い方やアレルギーの方にはお薦めしていません」と念を押す。

飲む顔ぶれをしっかり確かめたうえで、ノンアルコール・スパークリングを取り入れ、コロナ禍のストレスをこまめに解消していただきたい。
(イタリア食文化文筆・翻訳家 中村浩子)
中村 浩子
イタリア食文化文筆・翻訳家。東京外国語大学イタリア語学科卒。イタリアの新聞社『ラ・レプブリカ』極東支局長助手をへて、文筆・翻訳へ。著書に『イタリア薬膳ごはん』(共著)、『「イタリア郷土料理」美味紀行』、訳書に『イタリア料理大全 厨房の学とよい食の術』(共訳)、『スローフード・バイブル』。
イタリア食文化文筆・翻訳家。東京外国語大学イタリア語学科卒。イタリアの新聞社『ラ・レプブリカ』極東支局長助手をへて、文筆・翻訳へ。著書に『イタリア薬膳ごはん』(共著)、『「イタリア郷土料理」美味紀行』、訳書に『イタリア料理大全 厨房の学とよい食の術』(共訳)、『スローフード・バイブル』。