スーツとまでは言わないが、ビジネスでしっかりきちんと感をまといたいとき、選ばれてきたのがジャケットだった。だが今、ジャケットはその「きちんと感」というキャラクターはそのままに、今の時代にあった「リラックス感」をまとうための、身近で手軽なツールのひとつへと進化しつつある。
ジャケットを描写する単語に「かっちり」だけではなく「ふんわり」「さらっと」などが加わったように、ジャケットでは快適さが当たり前に。そしてそれとともに、相性のいいインナーやボトムス、さらには靴の幅も広がってきた。スタイルも、着ていく場所やシーンもより自由度が増したジャケットにおいて今大人が狙うべき着こなしを考察する。
一着あれば仕事&休日まであらゆるTPOで着回せる
「上質セットアップ」が最強に万能だ
クールビズが導入されたとき以上に今、仕事服で迷っている方は多いのでは? そんな迷子を救うのがセットアップだ。
デキるセットアップで「何を着るか問題」に終止符
働き方が多様化した今、何を着るかは日々悩ましい問題。スーツで決めたつもりがかえって浮くこともあるし、ビジネスカジュアルのさじ加減も難しい。そんな問題を一挙解決するのが、万能に使える上質なセットアップだ。
狙い目はテーラードスーツも得意とするブランドが手掛ける、仕立ての良いセットアップ。取引先への訪問や顧客の対応といったシーンでも、タイドアップするだけでスーツに準ずる装いを簡単に作れる。また、ラクチンなのにきれいに見える素材使いやディテールも買いのポイント。在宅勤務時でも節度ある装いが作れる上に、休日にも着回しやすいからだ。
今回着回したのはカルーゾのセットアップ!
その好例がカルーゾのセットアップ。今回は明るめのグレーが春夏らしいこの上下を使って、5日間分の着回しを提案。「何を着るか問題」に終止符を打ちたい方は、是非ご参考に。
Jacket + Pants オフィス通勤・ミーティングにも参加
Style Point 黒ポロニットをインするだけでニューノーマルの基本スタイルに

■CARUSO(カルーゾ)
きちんと見えてしかも軽い! 盛夏まで活躍まちがいなし
テーラードジャケットのような立体感と、シャツジャケットのような軽さを兼ね備えた新しいモデル「エルバ」。生地は爽やかなリネンコットンのサッカー地で盛夏まで着用可。袖は一つボタンの遊び心あふれる仕様なので、黒ニットポロをさらりと合わせるだけで、今どきの通勤スタイルを実現できる。ジャケット9万5000円、パンツ3万5000円(以上ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)
Jacket + Pants 取引先を訪問
Style Point 誠実さと抜け感を兼ね備えた旬の100点満点タイドアップスタイル
仕立ての良いセットアップならタイドアップしてもスーツ同然の見栄え。ザラッとした風合いのあるシルクニットタイやコットンBDシャツなら、セットアップと調和を図ることができる。あまり多色を使わずに、ワントーンでまとめるのも今どきに見せる術だ。

Jacket + Pants 仲間とミーティング
Style Point 外出も来客もない日は思い切って無地風カットソーでラフに洒落る
軽量仕立てのセットアップだけに、カットソーやTシャツなどの軽やかなインナーもよく似合う。来客や外出の予定もない日は、カジュアルなボーダーニットもアリ。遠目無地の細幅でセットアップと同系色なら、オフィスにもなじみやすい。

Jacket単体 近所のビストロでランチ
Style Point 休日だからこそ普段着ない色柄で冒険 どんな服も合うのはグレーだからこそ
ジャケット単品をベージュニット×ホワイトパンツに羽織り、春らしい軽さや明るさを表現。どんな色柄も上手にまとめ上げる力は、グレージャケットの強みでもある。さらに襟元にスカーフを添えれば、店の格に応じてドレスアップも可能だ。

Pants単体 リモート会議
Style Point 上質なアンサンブル×ラクチンパンツ 在宅勤務時の最強タッグはこれだ!
着心地サラサラのパンツは、座りっぱなしの在宅勤務にもおすすめ。クリース入りなのでリモート会議中に映っても慌てずにすむ。トップスはニットならラクチン。こんなアンサンブルならカーディガンがジャケット代わりになって、きちんと感も維持できる。


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