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女性は年収よりつながり コロナ禍での幸せキャリアは

人生100年時代のキャリアとワークスタイル

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルス感染症の収束が見えず、先行き不透明な中で、漠然とした不安を感じている人は多いことでしょう。では、人生の満足度・幸福感を高めながら働くコツは、どこにあるのでしょうか。

労働に関する総合的な調査研究を行っている独立行政法人の労働政策研究・研修機構が2021年3月に発表した「就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識」では、コロナ禍での職業生活に変化があった人ほど、あるいはコロナ禍での職業生活について不安を感じている人ほど、幸福感が下がっているという結果が明らかになりました。

【調査概要】
「就業者のライフキャリア意識調査―仕事、学習、生活に対する意識」の調査はコロナ禍前の2019年11月に「2018年度労働力調査」(基本集計)の比率に応じて割り当てた6000人を対象に実施。1年後に同じ対象者に追加調査を実施し、うち4670人の回答を得た。

新型コロナウイルスのまん延防止のために、休業を余儀なくされたり、残業減・ボーナスカットなどで収入が減ったりした人は決して少なくありません。総務省が21年2月に発表した労働力調査では、女性の非正規労働者は前年同月比89万人減となっています。仕事を失った人も、特に非正規雇用の女性に大勢いる状況が続いています。経済的な問題は、私たちの生活に大きな影響を与えます。しかし、もし仕事で高収入を得られるとしたら、幸福度は収入に伴いアップするのでしょうか。

経済的な豊かさと幸福度の関係

上述の就業者のライフキャリア意識調査で個人年収と幸福度の関係について調べた結果、実は男女に差がありました。男性は年収増加に伴い幸福度が有意に上昇し、600~700万円未満以降は横ばいとなる傾向が示されました。これは、高収入ほど仕事のプレッシャーが強く、また労働時間も長くなるために、経済的に豊かではあっても喜びが減少するためと考えられます。

一方、女性は100~200万円未満から500~600万円未満まで、年収増加に伴い幸福度が緩やかに上昇します。しかし、幸福度と個人年収の関連は比較的弱く、低収入であっても男性よりはるかに幸福度が高いことがわかったのです。いったい、なぜでしょう。

幸福感には、「経済的豊かさ」「雇用状況(組織コミットメント)」「人と社会のつながり」「将来展望」「性格特性(不安傾向が低いこと)」などが影響を与えています。

女性の場合、収入のほか、上司や同僚との人間関係や社会とのつながり感、適切な労働負荷、職場にうまくなじむことなどで幸福度を高めていたのです。このため、コロナ禍による人的ネットワークの影響は幸福度の減少をもたらすことにつながっているといえます。一緒に食事をしたり、遊んだり、困ったときに相談したりできる人がもともと多くいる人が、コロナ禍によって交友関係を制限されることは、想像以上にインパクトがあるものだと考えられます。

キャリアと生活の将来展望を持つことがカギに

コロナ禍によって、先行き不透明感が助長されたことは確かです。しかし、コロナ感染症が収束して霧が晴れても、人生100年時代と言われるようにその先の人生はまだ長く続きます。特に女性は世界的に見ても平均寿命が長く、そのため老後への不安を強く抱えているのではないでしょうか。調査結果においても、女性は男性よりも「老後への不安」がはるかに大きいことが示されました。人生のパートナーがいたとしても、「最後はおひとりさま」という思いがどこかにあるのかもしれません。

幸福度・人生満足度を高めるためには、将来のキャリアと生活に見通しが持てることが重要なカギになります。何の仕事をして、どんな風に働いていきたいのか。フリーランスのように雇われない働き方が向いているのか。それとも、組織に属して働く方がいいのか。そうだとしたら、どのような職場がいいのか。いつまで働くのか。いくら稼げば、老後は安心できるのか。そのためには、将来どの程度の年金がもらえるのか、老後資金をどう作っていくかなど、老後のマネープランも併せて考える必要があるでしょう。

こうした答えを導き出すには、自己理解を深めることが大切になります。「自分らしい働き方がしたい」という前に、自分が何を望んでいるのか、どういうスタイルが心地よいと感じるのか、様々な角度から自分を観察して見つめ直してみることは、欠かせないプロセスといえるでしょう。

そのうえで働き方についても、たとえば「週4日制の正社員」「在宅勤務ができること」「フレックスタイム制で働く時間を選べること」「パラレルキャリア」「フリーランス」など、様々な選択肢を検討してみることです。以前と比べ、働き方は多様化しており、自分に合った働き方でキャリア形成ができる時代になりつつあります。

また働き方の違いで、加入する社会保険も変化し、さらに年金などにも波及していきます。私は働き方の相談を受けるとき、必ず社会保険の問題とセットでアドバイスするようにしています。それは「今」だけでなく、「将来」へのつながりも大切だからです。

自律的なキャリア意識を持つ

ますます変化が激しくなる今後の社会においては、新たな知識やスキルを得るために学び続ける姿勢も大事になってくるでしょう。自律的なキャリア意識を持っている人は、自らのスキルを高めようと習得に熱心で、キャリア支援・キャリアサービスを積極的に利用する傾向があります。

民間のサービスを利用する方法もありますが、たとえばハローワークでは、キャリアコンサルティング、職業訓練のアドバイスなど、就職から職場定着まで一貫した支援を提供しています。そうした公的なサービスを活用する手もあるでしょう。キャリア形成を支援するために、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給される教育訓練給付制度(一般、特定一般、専門実践の3種類)もあります。これは雇用保険の被保険者(であったこと)など、一定の要件はありますが、活用されている方は大勢います。

コロナ禍以降は、オンラインによる学習講座なども一気に広まりを見せています。その気になれば、いつでもどこでも学べる機会が広がりました。リカレント教育(学び直し)という言葉が近年は浸透しつつありますが、義務教育と違って、自分が関心のあることやキャリアにつながることを好きに学べるわけですから、楽しむ気持ちでやってみたらいいと思います。

自己理解を深め、将来のキャリアに対して、少しでも見通しが持てるようになると、未来が明るく感じられるようになります。ただし、予定通りにいかないのが人生。細かく未来を描きすぎると、その通りにいかないことで、かえってストレスがたまってしまうこともあります。未知なる可能性を残しつつ、ある程度の将来展望を描くことが、幸福度を高めながら働き続けるささやかな秘訣と言えるかもしれません。

佐佐木由美子
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所などに勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開業、その後グレース・パートナーズ株式会社を設立し代表に就任。人事労務・社会保険面から経営を支援し、親身なコンサルティングで多くのクライアントから支持を得ている。また、出産後も女性が働き続けられる雇用環境の整備をはじめ、女性の雇用問題に積極的に取り組んでいる。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」(ソーテック社)。新聞・雑誌などメディアで活躍。

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